tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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朝岩澤理論7:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第7週目(なかなかしんどい週だった)。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第7週目(2017/3/3 〜 3/9)

3/3:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • (あとで全体像を理解してから書いているメモ) \newcommand{\zp}{\mathbb{Z}_p}  \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}}
  •  \prod \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N ]}_\mathfrak{p} 加群  \prod \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N ]}_\mathfrak{p} [[Z]] の自己準同型写像  D F(Z) \mapsto (1+Z)\frac{d}{dZ}F(Z) で定義した。
    • これはあとでわかるが単なる微分を考えている。 Z = e^z - 1 を代入して変数変換すると, D \mapsto \frac{d}{dz} となる
  •  \left( 1 - \frac{\varphi}{p}\right) \circ \log によって定まる  \zp[ \Delta_N ] の完全列を示した

3/4:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

あとでまとめる

3/5:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

あとでまとめる

3/6:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • ノルム系から  \zp[\Delta_N][[G_{\cyc}]] への写像(Coleman写像の合成写像)の完全系列を作った(Thm3.54)。
  • 以上の写像の像の元として Stickelberger 元を定義した
  • Stickelberger元に指標を適用して,ガウス和をかけたものを考えた
  • 次回からp進L函数の別構成がはじまるらしい

3/7:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • ようやくp進L函数の構成ができた
  •  \displaystyle L_p(\psi) = \psi \omega^{-1}\left(\frac{1}{hoge}\iota\left(D(\Xi(a))\right)\right)
  •  \displaystyle \Xi(a) \cdot (1+Z) = \left( 1-\frac{\varphi}{p} \right) (G_{\mathbf{u}(a)}(Z))
  •  \Xi(a) \cdot(1+Z) に関係するのは補題3.55か
  •  \mathbf{u}(a) はノルム系(補題3.46で具体例を与えたもの)

3/8:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • これまでの構成の手順をまとめた  \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}} \newcommand{\zp}{\mathbb{Z}_{p}}
    • (A) 円単数のノルム系   \mathbf{u} \; \Longrightarrow^{(1)} \; Colemanべき級数  F_{\mathbf{u}}(Z) \; \Longrightarrow^{(2)} \;  \zp[\Delta_N][[\Gamma_{\cyc}]] の元
    • (B)  F_{\mathbf{u}}(Z) \big|_{Z = e^{z} - 1} の対数微分が  L(\eta, s) の特殊値の母函数  f_{\eta}(z) と「ほぼ等しい」
  •  (A)(1) の箇所を省いてもp進L函数の新しい構成はできるが、 (A)(1) のステップを挟むことで、p進L函数と円単数が結びつき、岩澤主予想の円単数のEuler系を用いた証明に使えるらしい。
  • わからない点:
    • 「対数微分」「母函数」と言っている部分はどこのことを指しているのだろう
    •  F(Z)\big|_{Z=e^z - 1} の対数微分が  L(\eta, s) の特殊値の母函数  f_{\eta}(z) と「ほぼ等しい」 F(Z) が 3.2.2 項ですでに直接構成されている』らしいのだが、それはいったいどの話であろうか
    • あ、わかったかも!!!
  • Ferrero-Washingtonの定理( L_p(\psi) \mu 不変量は自明)とLeopoldtの公式( s=1 のp進L函数の特殊値は、p進対数関数によってかける)に触れた

3/9:代数的側面と解析的側面の関係(岩澤主予想)

  • 円分岩澤主予想の定式化を行った.
  • ついに岩澤主予想だ!!!うおおおおお!!!
  • 円分岩澤主予想の定式化:
    • Dirichlet指標を  \mathbb{Q} の有限次アーベル拡大のガロワ群の指標とする.
    •  K_{\eta} \eta に対応する体とし, K_{\eta, \infty}^{\cyc} K_\eta の円分  \zp 拡大とする.
    • 二種類の不分岐拡大を定義:
      •  L_{\eta, \infty}^{\cyc} を「到る所不分岐かつアーベルな最大pro- p拡大」とする
      •  M_{\eta, \infty}^{\cyc} を「 p の外で不分岐かつアーベルな最大pro- p拡大」とする(こっちのほうがでかい拡大)
    • 対応するガロア群を定義する:
      •  X_{K_{\eta, \infty}^{\cyc}} = {\rm Gal}(L_{\eta, \infty}^{\cyc}/K_{\eta, \infty}^{\cyc}) (こっちはねじれ  \Lambda_{\cyc} 加群)
      •  \mathfrak{X}_{K_{\eta, \infty}^{\cyc}} = {\rm Gal}(M_{\eta, \infty}^{\cyc}/K_{\eta, \infty}^{\cyc}) (こっちはねじれ  \Lambda_{\cyc} 加群ではない)
    •  (-) 版岩澤主予想
      •  \psi を導手が  Np^e \psi(-1) = 1 であるDirichlet指標とすると以下が成り立つ

 {\rm char}_{\Lambda_{\cyc, \psi}}\left(X_{K_{\omega \psi^{-1}, \infty}^{\cyc}}\right)_{\omega \psi^{-1}} = \left(L_p(\psi) \right) \;\;\;\;\;\;\;\; (\psi \neq \mathbf{1})

    •  (+) 版は次回( \mathfrak{X}_{K_{\eta, \infty}^{\cyc}} がねじれ加群とは限らないので,ポントリャーギン双対をとらないといけない?)

雑感

  • ようやくColeman写像によるp進L函数の構成がおわった。正確にいうと「終わらせた」という感じに近くて、証明の流れはほとんどよくわかっていない。
  • 記号が難しくて飲み込みづらかったのと、構成までの過程が長くて全体像をつかむのが難しかった。全体像は最後の説明で、多少はわかった気がしないでもないので、もう一度 3.2.4 の最初から見直した方が良さそう。。。

雑感2(3/9)

  • と思っていたら急にわかってきたのでまとめなおしてみる!
    •  L(\eta, s) の特殊値(すなわち,ベルヌーイ数  B_{r, \eta})の母函数  f_{\eta}(z) とは 3.2.2 で次のように定義されていた; \displaystyle f_{\eta}(z) := \sum_{i=1}^{N}\frac{\eta(i) ze^{iz}}{e^{Nz} - 1} = \sum_{r=0}^{\infty} B_{r, \eta}\frac{z^r}{r!}
      • ここから  B_{r, \eta} を取り出すには, r 回微分して  z = 0 をとればいい。
    • さて,ここで  G_{\mathbf{u}}(Z) = \log(F_{\mathbf{u}}(Z) ) と定義されており(対数をとっただけ),この  G D r-1 回作用させる。 D Z = e^z - 1 とすると実質的に  \frac{d}{dz} と同じになる。
      •  N = 1 のとき  \displaystyle F_{\mathbf{u}}(Z) = \frac{(1+Z)^a - 1}{(1+Z) - 1} であったことを思い出そう( Z のわかりやすい有理函数の形になっている)
      • これがコールマン写像であることを確認するには, F_{\mathbf{u}}(Z) Z =\zeta_{p^{n+1}} - 1 を代入してみれば良い。
      •  \displaystyle F_{\mathbf{u}}(\zeta_{p^{n+1}} - 1) = \frac{(1+(\zeta_{p^{n+1}} - 1))^a - 1}{(1+(\zeta_{p^{n+1}} - 1)) - 1} = \frac{\zeta^a_{p^{n+1}} -1}{\zeta_{p^{n+1}} -1} = u_n(a) となって,ノルム系の数列が取り出せる(すなわち, F_{\mathbf{u}}(Z) (u_n(a))_{n\geqq 0} の母函数になっていたのだ)。
    • ここで, L_p(\psi) = \psi\omega^{-1}\left( \frac{1}{(1-\langle a \rangle \psi(a)\gamma(a)^{-1})} \iota \left(D (\Xi(a)) \right) \right) に数論的指標  \kappa^{1-r}\phi を適用して計算していく
    •  Z = e^z - 1 とすると, f_{\eta}(z) にそっくりな項を  \frac{d}{dz} r-1 回微分する形の式がでてくる。
    •  r-1 回微分して  z = 0 とすると、 B_{r-1, \eta} が飛び出す!という流れだ


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現在の進捗状況と目標ページ数の比較

とにかく止めないで先に進むことを念頭に入れて進めたので、今回の節のペースは若干早かった。おかげで少しペースを取り戻しつつある。


朝岩澤理論6:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第6週目。
(もう6週目か!)


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第6週目(2017/2/24 〜 2017/3/2)

2/24:Bernoulli数とDirichletのL函数の特殊値(3.2.2)

  • 今日はベルヌーイ数  B_{r} と一般ベルヌーイ数  B_{r,\eta}(導手  N のDirichlet指標  \eta で捻ったもの)を定義した
  •  \eta(-1) = (-1)^r を満たす任意の Dirichlet 指標  \eta に対し  L(\eta, 1-r) = -\frac{B_{r,\eta}}{r} が成り立つ
  • ところで、この本で定義されたベルヌーイ数と一般ベルヌーイ数は  r=1 +1 だけずれる(と思う。たぶん B_1=-\frac{1}{2} B_{1,\mathbf{1}}=+\frac{1}{2}
  • なんで揃えなかったのだろうか?(ベルヌーイ数の分子を  z から  ze^z にすれば一致するけれども)

 \displaystyle \frac{z}{e^z-1} = \sum_{r=0}^{\infty}B_r\frac{z^r}{r!}
 \displaystyle \sum_{i=1}^{N}\frac{\eta(i)ze^{iz}}{e^{Nz}-1} = \sum_{r=0}^{\infty}B_{r,\eta}\frac{z^r}{r!}

2/25:岩澤によるp進L函数の構成(3.2.3)

  • Stickelberger元を使った岩澤によるp進L函数の構成法について学ぶ
  • Stickelberger元の定義とその性質についての証明を追った
  • しかしさっぱりわからない。導手 Np^e のDirichlet指標 \psiによって定義される群環の元であることはわかるが、これが一体なんなのだろうか。

2/26:岩澤によるp進L函数の構成(3.2.3)(つづき)

  • 昨日はあんなこと言ってすみませんでした。Stickelberger元は非常に重要でした。まさかStickelberger元の極限をとったものがp進L函数だったなんて
    • これを知ってからテンションが上がりすぎてやばい
  • 岩澤によるp進L函数の構成:
    • Stickelberger元  \Xi_n(\psi) \in \mathbb{Q}_p[\psi][\Gamma_n]  \psi \neq \mathbf{1} のとき  \Xi_n(\psi) \in \mathbb{Z}_p[\psi \omega^{-1}][\Gamma_n] )の逆極限をとるとp進L函数が定義できる  \displaystyle L_p(\psi) = \varprojlim_n \Xi_n(\psi)
    • すると, \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}} L_p(\psi) \in \begin{cases} \Lambda_{\cyc, \psi} & (\psi \neq \mathbf{1}) \\ \frac{1}{\gamma - \kappa_{\cyc}(\gamma)}\Lambda_{\cyc} & (\psi = \mathbf{1}) \end{cases} が成り立つ。
    •  \kappa_{\cyc}^{1-r}\phi をStickelberger元  \Xi_n(\psi) に作用させて変形し  \bmod{\frac{q_n}{r}} の合同式を作る
    •  n で逆極限をとると,Dirichlet 指標  \psi \omega^{-r} \phi^{-1} によってツイストされた一般化Bernoulli数  B_{r, \psi \omega^{-r}\phi^{-1}} との  \overline{\mathbb{Q}}_p 上の等式(Euler因子つき)が得られる(Bernoulli多項式の二項展開表示と von Staudt-Clausen の定理から従う)
    •  L(\eta, 1-r) = -\frac{B_{r, \eta}}{r} から  \eta = \psi \omega^{-r} \phi^{-1} として目的の補間性質の式が得られる!
  • 補間性質の式:

 \displaystyle \left(\kappa_{\cyc}^{1-r} \phi^{-1}\right)\left(L_p(\psi)\right) = \left( 1 - \frac{(\psi \omega^{-r}\phi^{-1}) (p)}{p^{1-r}} \right)L\left(\psi \omega^{-r} \phi^{-1}, 1-r\right)

  • 補足:
    •  \psi を導手  Np^e e = 0 または  e = 1) で  \psi(-1) = 1 なる原始的な Dirichlet 指標とする
    • 有限指標  \phi について:  \psi = \mathbf{1} のとき  r \neq 1 または  \phi \neq \mathbf{1} と仮定する

2/27:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)

  • あらまし:Coleman写像の理論に「円単数」を適用すると,p進L函数が構成できるらしい
    • Euler系による岩澤主予想(3.3.3)やガロワ変形の岩澤主予想につながるらしい
  • 環同型  \mathbb{Z}[\zeta_N] \otimes_{\mathbb{Z}} \mathbb{Z}_p \simeq \prod_{\mathfrak{p}\mid (p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} を係数に持つ形式的べき級数環  \prod_{\mathfrak{p}|(p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} [[ Z ]] を考えた。この形式的べき級数環に対する,ガロア群  {\rm Gal}(\mathbb{Q}(\zeta_{Np^{n+1}})/\mathbb{Q}) \simeq \Delta_N \times \Delta_p \times \Gamma_{{\rm \cyc}}\big/(\Gamma_{{\rm \cyc}})^{p^n} の作用を考えた
  •  G_{{\rm cyc}} := \Delta_p \times \Gamma_{{\rm cyc}} とする

2/28:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • しばらく道具の準備が続くので先が見えない・・・。
  • ノルム系、Coleman写像を定義した
    • ノルム系は、 \prod_{\mathfrak{p}|(p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} [ \zeta_{p^{n+1}} ] の単元の系  \mathbf{u} = (u_n)_{n\geqq 0}のこと。ノルム写像について逆極限をとって作る
    • Coleman写像は、ノルム系  \mathbf{u} から形式的べき級数  F_{\mathbf{u}}(Z) を作る写像にみえる

3/1:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • Coleman写像を構成した
  • Colemanべき級数  F_{\mathbf{u}}(Z) は,p進L函数  L_p(\psi) の構成にも関係するらしい

3/2:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • ノルム系とそのColemanべき級数の具体例について計算した

雑感

  • Stickelberger元を使ったp進L函数の構成がすごく面白かった。最初はまったくもってわけがわからず,なぜこんな元の計算をやっているのか理解ができなかった。しかし,実はStickelberger元の極限をとったものがp進L函数そのものだったのだ。Stickelberger元をmod pで計算していって極限をとると一般ベルヌーイ数との合同関係が現れて,L函数の負の整数値と結びつくのだ。このときは本当に感動した。この感動は今後も忘れずに覚えておきたい。
  • 一方で今週の後半はColeman写像のパートに入ったが,今度は本当にわからない。出てくる記号の意味がわからないし,何をやっているのかわからない。特に長いパートなので(20ページ程度)全容を掴むには一週間程度かかりそうである。とにかく歯を食いしばって進めるしかなさそうだ。
    •   \mathbb{Z}[\zeta_N]  p 上の素イデアルによる完備局所化の直積を係数環とする形式的べき級数  \prod_{\mathfrak{p}\mid (p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} [[Z]] がやたらでてくる。これに  Z = \zeta_{p^{n+1}} を入れたときの単数群における逆極限の系を「ノルム系」というらしい。
    • 先の方を見てみると「ガウス和」と関係するらしい。Stickelbergerもガウス和と関係するらしいので,その辺が結びつくのだろうか
    • 加藤先生の「素数の歌はとんからり」で読んだ「円単数とlogの関係」の話も,このあたりのテーマと関係するのだろうか。最近ちょっとずつlogが出てきた。
  • 岩澤理論全体としてはそろそろ全容がつかめてきた感じがあるので,中間発表としてメインのブログの方で岩澤理論の記事を書きたいと思っている。というかそろそろ人に話したくてたまらなくなっている。乞うご期待。


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現在の進捗状況と目標ページ数の比較

近似曲線をつけてみた。笑

目標は 163 ページであるが,このペースであれば少なくとも 140 ページまでは到達できそうだ。
これであれば2つある岩澤主予想の証明の2つめまで終えることができるので,3月末までになんとか満足のいくところまでは達成できそうだ。


朝岩澤理論5:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第5週目。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第5週目(2017/2/17 〜 2017/2/23)

2/17:イデアル類群の構造の補足(3.1.3)

  • 新しい節に入った。ここからしばらくは CM体 (Complex Multiplication field) のお話。
  • CM体:
    • (i) 総実代数体  K^+ の総虚な2次拡大
    • (ii)(a)  J: \mathbb{C} \to \mathbb{C} を複素共役とするとき、埋め込み \tau: K \hookrightarrow \mathbb{C} に対して  J_\tau = \tau^{-1} \circ J \circ \tau \tau によらない。「行って複素共役して帰ってくる」によって複素共役が定義できる
    • (ii)(b)  J K 上の非自明な自己同型となる
    • ようするに複素共役がちゃんと入るような体のこと
  • J体:
    • CM体  K J による固定体  K^{+} = K^J のこと
    • (ii)(a) を満たす体のこと(CM体も含めて J 体と呼ぶ)
  • J 体と CM体の基本的な性質をおさえた
  • 例:
    • 円分体  \mathbb{Q}(\mu_m) = \mathbb{Q}(\zeta_m) は CM 体
    •  \mathbb{Q}(\zeta_m + \zeta_m^{-1}) は総実な J 体で上の指数2の部分体
    • 複素共役は円分体のガロア群の中心に入るので、円分体の勝手な中間体はJ体
    • さらにクロネッカー・ウェーバーより、Q上のアーベルな代数体はすべてJ体(思った以上に広い!)
    • Q上アーベルでないCM体やQ上ガロワではないCM体もたくさんある

2/18:イデアル類群の構造の補足(3.1.3)(つづき)

  • ヒルベルトの定理90が出てきた(CM体に限らず成り立つ)
    • ノルムが  1 の勝手な単元  \zeta \in \mu_{K_{n+1}^{{\rm cyc}}} に対して  a\in K_{n+1}^{{\rm cyc}} が存在して  \zeta = \zeta'^{g-1} と表せる
    • 群コホモロジーの言葉で表すと  H^1 \left(K_{n+1}^{{\rm cyc}} / K_{n}^{{\rm cyc}}, \mu_{K_{n+1}^{{\rm cyc}}} \right) = 1
  • CM体  K のイデアル類群の構造について学んだ
    •  A_n = {\rm Cl}(K_n^{{\rm cyc}})[p^\infty] とおく.このとき  i_{n, {n+1}} \colon A_{n}^{-} \to A_{n+1}^{-} は単射. A_n^{-} K の複素共役が  -1 倍で作用する  A_n の部分群
    •  \newcommand{\lcyc}{\Lambda_{{\rm cyc}, K}} \lcyc = \mathbb{Z}_p[[\Gamma_{{\rm cyc}, K}]] とおく. \newcommand{\x}{X_{K_\infty^{{\rm cyc}}}} \x は複素共役  J の作用の固有分解によって  \x = \x^{+} \oplus \x^{-} とかける(これがよく見る分解か!)
    •  \lcyc 加群  \x について:
      •  \x^{-} は非自明な擬零部分  \lcyc 加群を持たない
      •  \x^{+} は擬零  \lcyc 加群と思われている.一般には自明ではない(らしい)

2/19:イデアル類群に関して知られた結果や予想(3.1.4)

  • 「代数体  K 」と「有限体  \mathbb{F}_q 上の1変数代数函数体  K」の類似の哲学
    • 「イデアル類群  {\rm Cl}(K)」と「代数曲線  C = C_K/\mathbb{F}_q の因子類群  {\rm Cl}_C(\mathbb{F}_q)
    •  {\rm Cl}_C(\mathbb{F}_q) \simeq {\rm Cl}_C(\overline{\mathbb{F}_q}) \simeq (\mathbb{Z}/l\mathbb{Z})^{\oplus 2g}
      • 因子類群はテイトモジュールとかいうやつかしら?(よくわかっていない)
    • 因子類群に対して類数公式の類似  {\rm Cl}(k_n)[l^{\infty}] = l^{2gn + v} が成り立つ。
      • 位相的生成元をフロベニウスに置き換えればそのまま証明できる
    • 函数体では  \mu = 0 となり  \mu 不変量は現れない
    • 函数体では定数体があり、代数体にはそれがないので単純には比較できない
    • 一方で、函数体における定数体の  \mathbb{Z}_l 拡大を「1のベキ根を加える拡大」と捉え直すと、代数体  K の円分 \mathbb{Z}_p 拡大が「正当な」類似とみなせる
  • 以上の類似の哲学により、以下の予想が得られる(岩澤)
    •  K を勝手な有限次代数体。このとき円分 \mathbb{Z}_p拡大  K_{\infty}^{{\rm cyc}}/K に対して  \mu(K_{\infty}^{{\rm cyc}}) = 0 となる
    • これが  \mu = 0 予想か!!!
    • 適当ではなくて、上のようなちゃんとした類似の根拠があった上での予想だったのですね(岩澤先生すごい)
  • 一方で  \mu をいくらでも大きくできる円分でない \mathbb{Z}_p拡大も岩澤先生が構成している
    • 反円分 \mathbb{Z}_p拡大  K_{\infty}^{{\rm ac}}(拡大が二面体群になる)
    • これとの合成体をとると、種の理論(まじで!?) により得られる

2/20:イデアル類群に関して知られた結果や予想(3.14)(つづき)

  •  \mu = 0 予想の「証明済み」な最も強い結果:Ferrero-Washington
    •  K \mathbb{Q} の有限次アーベル拡大であるとき  \mu(K_{\infty}^{{\rm cyc}}) = 0 が成り立つ
  • Riemann-Hurwitz の公式
    • 「代数体のイデアル類群から定まる \lambda不変量」と「正標数の函数体のモデルである代数曲線の種数」の間の類似
    •  (-) 部分の  \lambda 不変量の変化を記述する

2/21:p進L函数(3.2)

  • (昨日の続き)Riemann-Hurwitz の公式
    • 木田による証明 [66] は,種の理論によって直接  \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}} \#{\rm Cl}(K_n^{\cyc})^{-}[p^{\infty}]  \#{\rm Cl}(K_n^{\cyc})^{-}[p^{\infty}] の違いを計算する方法
    • 岩澤 [56] によって  \newcommand{\gal}{{\rm Gal}} \gal (K{'}_{\infty}^{\cyc}/K_{\infty}^{\cyc} ) 上の加群  X_{K_\infty^{{\rm cyc}}}^{-} を有限群の線形表現の手法で調べる別証明
    •  K, K' がアーベル体のときは,岩澤種予想を介して「p進L函数に対する木田の公式」として翻訳される
  • (昨日の続き)函数体における類似が見当たらない予想もある
    • Vandiver予想: K = \mathbb{Q}(\zeta_p)^{+} のとき  X_{K_\infty^{{\rm cyc}}} = 0
    • Greenberg予想:総実代数体の円分 \newcommand{\zp}{\mathbb{Z}_p}\zp拡大において  \lambda = \mu = 0 X_{K_\infty}^{{\rm cyc}} は有限)
  • ここからp進L函数のお話(やっときたぜ!)
  • 2通りの方法でp進L函数(Thm 3.29)を構成する
    • Stickelberger元を用いた岩澤構成
    • 円単数を用いたColeman構成
  • まず,Dirichlet指標を定義した

2/22:解析的p進L函数の存在定理(3.2.1)

  • Dirichlet 指標の積を定義した
    • 異なる指標を持つ原始的ディリクレ指標  \eta, \eta' をそれぞれ誘導して等しい法を持つディリクレ指標とみなして、素朴に積をとる
    • さらにその積に付随した原始的なディリクレ指標を  \eta \eta' とする
    • このときすべての原始的なディリクレ指標全体に自然なアーベル群の構造が入る
  • 原始的なディリクレ指標に対しDirichletのL函数を定義する(実際は原始的でなくてもいいが、原始的なオイラー積からオイラー因子を抜いただけのものになる)
    • L函数は複素平面全体で解析接続する
    • 負の整数点で代数的整数となる
  • p進L函数の存在定理
    • 岩澤代数  \Lambda_{\cyc, \psi} \simeq \zp[\psi][[T]] の元で以下の性質を満たすp進L函数  L_p(\psi) が存在する( \psi = \mathbf{1} のときは  \frac{1}{\gamma - \kappa_{\cyc}(\gamma)} \Lambda_{\cyc, \psi} の元)
    • p進L函数  L_p(\psi) は,L函数の負の整数点を補間してできる( \psi は導手が  Np^e e=0, 1)で  \psi(-1) = 1 なる原始的なディリクレ指標)

2/23:解析的p進L函数の存在定理(3.2.1)(つづき)

  •  \Lambda_{\cyc, \psi} \to \zp[\psi]  \Lambda_{\cyc, \psi} \to \zp[\psi] [[T]] \to \zp[\psi] は可換
  • としておいて  A(T) \in \zp[\psi][[T]] をとる. r \equiv r' \pmod{p^n} とすると, A(T)\big|_{T=(1+p)^r - 1} \equiv A(T)\big|_{T=(1+p)^{r'} - 1} \pmod{p^{n+1}}
    • これは「クンマーの合同式」ですね!!!
    •  A(T) の級数展開と  T = (1+p)^r - 1 の二項展開の計算からただちにわかる(→やってみよう!!!)
    •  A((1+p)^{r} -1) = \left(1 - \frac{(\psi \omega^{-r})(p)}{p^{1-r}}\right)L(\psi \omega^{-r}, 1-r) とするとまさにクンマーの合同式(→これも確かめよう!!!)
  • 久保田-Leopoldt は  s\in \mathbb{C}_p の部分領域上の解析函数として定義したが,この本では岩澤代数の元として定義する(このほうが主予想の定式化としても便利だし、久保田-Leopoldtが導けるなど(逆は成り立たない)強い性質を持つ)
  •  \psi = \mathbf{1} のときは, (\gamma - \kappa_{\cyc}(\gamma)) L_p(\mathbf{1}) \in \Lambda_{\cyc}^{\times} 可逆元となることが容易に示せる

雑感

  • ついにp進L函数きたーーー!!!
  • クンマーの合同式も出てきたし、やっと知りたかったことに近づいてきた感じがある(泣きそう)
  • 代数パートの議論で、岩澤代数を形式的べき級数環として環論的に考えるやり方に慣れてきたので、ずいぶん理解がスムーズになっていると感じる。L函数が岩澤代数の元だと言われても動揺しない。長い道のりだったけど、ちゃんと途中を飛ばさないで丁寧に進んできて良かったと感じた
  • クンマーの合同式の証明が,多項式環の単なる計算問題となってしまうのは驚き
    • 「L函数の整点をp進補間する岩澤代数の元が存在する」という存在定理があれば,クンマーの合同式は半自動で導かれるのですね!
      • 一般に,岩澤代数の形式的べき級数の性質から,級数の値の間の合同関係が導かれる
      • それぞれの値には,L函数の整点の値が割り当てられている
      • L函数の整点の間には、合同関係が成り立つ
    • 存在定理すげえな!あとで絶対に確認しよう
  • 一方で,p進L函数の「実態」がまだ掴み切れていないので、もう少し自分で計算してなれる必要がありそう。そもそも指標があんまりよくわかっていないのでそのあたりから。
  • 肝心の進捗状況だが、若干予定よりペースが遅いと考えている(計画より12, 3ページ遅い)。このままのペースだと3月末で120pとなり、岩澤主予想まで終わらない
  • 最近少しずつ朝に起きれなくなりつつあるので、もう少し気合を入れ直さないと

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現在の進捗状況と目標ページ数の比較


朝岩澤理論4:岩澤理論とその展望(上)

第4週目に突入。

朝岩澤理論1:岩澤理論とその展望(上) - tsujimotterの下書きノート
朝岩澤理論2:岩澤理論とその展望(上) - tsujimotterの下書きノート
朝岩澤理論3:岩澤理論とその展望(上) - tsujimotterの下書きノート

の続き。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第4週目(2017/2/10 〜 2017/2/16)

2/10:岩澤加群の特殊化に関する代数的な準備(2.3.4)(つづき)

 \#(\mathcal{M}/\omega_n(T) \mathcal{M}) = q^{\lambda e n + \mu p^n + \nu}

  • 前回の上の式を証明するために、いろいろ補題を証明している。
  • ついに「蛇の補題🐍」が出てきた。これは楽しい!!!
  • あと、完全系列の位数の等式を作っているのだけれど、これはエルブランの補題(コホモロジーの関係式)みたいなのを使っているのかしら?よくわからない

2/11:岩澤加群の特殊化に関する代数的な準備(2.3.4)(つづき)

  • 蛇の補題🐍が今日も活躍
  • 完全系列にたいして、 \omega_n(T) 倍写像をした、あるいは  \mathcal{O} をtensorした完全系列をつくり、2本の完全系列に対して蛇の補題🐍を実行すると、Coker同士の要素数の関係式が出てくる。
  • 単射:ker が 0 はよく使うので重要
  • メインの補題の証明:
    •  \mathcal{O} の議論をより大きな  \mathcal{O}' 上の議論に持って行く。この  \mathcal{O}' F(T) が分解できるまで十分大きな拡大体としても問題ないことを示す。
    • 次に F(T) = G(T)(T-\alpha) を利用して、蛇の補題🐍を使って次から次へ1次式へと落としていき、その1次式の議論を  \mathcal{O}[[T]] \simeq \mathbb{Z}[[T]] \otimes_{\mathbb{Z}_p} \mathcal{O} の同型から  \mathbb{Q}_p 上の円分多項式 の議論に持って行く。これもまた蛇の補題🐍を使う。
    • さらに、蛇の補題🐍を使って、 \mathbb{Z}[\zeta_{p^i}] \otimes_{\mathbb{Z}_p} \mathcal{O} の議論にもっていき、最後は  p 進的な性質で位数が剰余体の位数  q^e でかけることを示す。

2/12:岩澤加群の特殊化に関する代数的な準備(2.3.4)(つづき)

今日でこの2.3.4節が終わるので、しっかりまとめる。

 \newcommand{\m}{\mathcal{M}} \m を有限生成ねじれ  \newcommand{\o}{\mathcal{O}} \newcommand{\iwsw}{\o[[T]]} \iwsw 加群とする. ({\rm char}_{\iwsw}(\m), \omega_n(T) ) = 1 とすると,
 \displaystyle \#(\mathcal{M}/\omega_n(T) \mathcal{M}) = q^{\lambda e n + \mu p^n + \nu} \tag{1}

が成り立つ。

ただし, \lambda, \mu \m の岩澤不変量。 q は剰余位数  \#(\o / (\varpi) ) e p 進体  {\rm Frac}(\o) の絶対分岐指数。

この式を求めたいというのが当面の目標だった。これには基本岩澤加群の解析が必要であるが,これに蛇の補題🐍が大活躍する(計4回登場)。


基本岩澤加群  \newcommand{\fund}{{\rm fund}(\mathcal{M})} \fund

 \displaystyle \fund = \bigoplus_{i=0}^{s}\iwsw\big/(F_i(T)^{n_i}) \oplus \bigoplus_{j=0}^{t}\iwsw\big/(\varpi^{m_j})

とおく。前半

 \displaystyle \bigoplus_{i=0}^{s}\iwsw\big/(F_i(T)^{n_i})

 \lambda 不変量に関する部分,後半

 \displaystyle \bigoplus_{j=0}^{t}\iwsw\big/(\varpi^{m_j})

 \mu 不変量に関する部分である。


さて, \m は有限生成ねじれ  \iwsw 加群なので,構造定理より以下の短完全列が得られる。

 0\rightarrow Z \rightarrow \mathcal{M} \rightarrow \fund \rightarrow Z' \rightarrow 0

それぞれに, \times \omega_n(T) の射を適用して,もう一本の短完全列をつくる。図式を2つに分けて,蛇の補題 \times 2🐍🐍を適用することにより

 \#(\m /\omega_n(T)\m) = \#(\fund/\omega_n(T)\fund) \times \#(Z/\omega_n(T)Z)

を得る。 ({\rm char}_{\iwsw}(\m), \omega_n(T) ) = 1 より  \fund \to \fund の箇所は単射である( \newcommand{\Ker}{\rm Ker} \Ker は 0)を使った。

 \fund/\omega_n(T)\fund の箇所を解析することで

  •  \iwsw/(\omega_n(T), F_i(T)) から  q^{en} が( \lambda 部分)
  •  \iwsw/(\omega_n(T), \varpi) から  q^{p^n} が( \mu 部分)

出てくる。 \lambda 乗, \mu 乗に関しては,多項式に対する指数から得られる。


 q^{en} に関して:
 {\rm Frac}(\mathcal{O}') / {\rm Frac}(\mathcal{O}) の拡大を考えて,
 \# (\mathcal{O}'[[T]]/(\omega_n(T), F_i(T)) ) = \# (\iwsw/(\omega_n(T), F_i(T)) )^{[\mathcal{O}':\mathcal{O}]}

が成り立つので, F(T) が分解するまで十分大きな  \mathcal{O}' で議論して良い。


 F(T) = G(T)\times (T-\alpha) とすると,短完全列

 0 \rightarrow \iwsw \big/ (G(T)) \rightarrow \iwsw \big/ (F(T)) \rightarrow \iwsw \big/ (T-\alpha)

 \times \omega_n(T) の射を適用して短完全列,これに蛇の補題🐍を適用すると

 \# (\iwsw\big/(F(T), \omega_n(T))) = \# (\iwsw\big/(G(T), \omega_n(T))) \times \# (\iwsw\big/(T-\alpha, \omega_n(T)))

から,次数を一つ落とすことができる。これを続けて  T-\alpha に帰着できる。


また,

 \iwsw \big/(T-\alpha, \omega_n(T)) \simeq \newcommand{\zp}{\mathbb{Z}_p} \zp[[T]] \otimes_{\zp}\o \big/ (T-\alpha, \omega_n(T))

同型があるから, \zp で議論できる。

 \displaystyle \omega_n(T) = \prod_{i=1}^{n} \Phi_{p^i}(T+1)

として, \zeta_{p^i} \mathbb{Q}_p 上の最小多項式  \Phi_{p^i}(T+1) を使って書くと,自然な単射

 \displaystyle \zp[[T]] \big/(\omega_n(T)) \rightarrow \prod_{i=1}^{n}\zp[\zeta_{p^i}]

が得られる。これに, \otimes_{\zp} \o を施すと,以下の短完全列が得られる。

 \displaystyle 0 \rightarrow \zp[[T]] \otimes_{\zp} \o \big/ (\omega_n(T)) \rightarrow \prod_{i=1}^{n} \zp[\zeta_{p^i}] \otimes_{\zp}\o \rightarrow Z_n \otimes_{\zp} \o \rightarrow 0

それぞれに, \times (T-\alpha) の射を考えて(真ん中に対しては \times \prod_{i=1}^{n}( (\zeta_{p^i}-1)-\alpha) を当てる)可換図式を得る。この図式に,またもや蛇の補題🐍を適用すると

 \displaystyle \#(\zp[[T]] \otimes_{\zp} \o \big/ (T-\alpha, \omega_n(T))) = \prod_{i=1}^{n} \# (\zp[\zeta_{p^i}] \otimes_{\zp} \o \big/ ( (\zeta_{p^i} - 1) - \alpha) )

を得る。


 p 進体に関する基本事項によって右辺の計算をする。 m(\alpha) \newcommand{\ord}{{\rm ord}} \ord_{p}(\zeta_{p^m} - 1) = \frac{1}{(p-1)p^{m-1}} \geq \ord_p(\alpha) を満たす自然数のうち最大のものとすると, i > m(\alpha) を満たす  i に対して

 \# (\zp[\zeta_{p^i}] \otimes_{\zp} \o \big/ ( (\zeta_{p^i} - 1) - \alpha)) = \#(\mathbb{F}_p \otimes_{\zp} \o) = q^e

が成り立つ。

よって, n > m(\alpha) のとき, q^{e(n-m(\alpha))} \omega_{m(\alpha)}(T) で割った部分に分けられる。このとき,後半部分については

 \nu(F(T)) = \ord_q( \#(\zp[[T]] \otimes_{\zp}\o \big/ (T-\alpha,  \omega_n(T)) ) ) - e m(\alpha)

とかける。よって, q^{e + \nu(F(T))}

が出てくる。


 q^{p^n} に関して:
 \begin{align} \iwsw \big/ (\varpi, \omega_n(T)) &\simeq (\o / \varpi)[[T]] \big/ (\omega_n(T)) \\ &\simeq (\o / \varpi)[[T]] \big/ (T^{p^n}) \\ &\simeq  (\o/\varpi)^{\oplus p^n} \end{align}

から,

 \# (\iwsw \big/ (\varpi, \omega_n(T))) = q^{p^n}

が得られる。


2/13:イデアル類群の円分岩澤理論(3章)

  • 今日から第3章
  • ついに岩澤類数公式が登場!
    •  K_{\infty}/K を勝手な  \zp 拡大とする.第  n 中間体  K_n = (K_\infty)^{\Gamma^{p^n}} の類数の  p 部分( p べきして消える部分群)は以下を満たす

 \#{\rm Cl}(K_n)[p^{\infty}] = p^{\lambda n + \mu p^n + \nu}

  • 以上の  K_n K_{\infty}/K の中間体すべてを尽くしていることに注意
  • 戦略
    •  K_\infty の最大不分岐アーベル拡大  L_\infty を考えて,そのガロア群を  X_{K_\infty} とする.
    •  \Gamma = {\rm Gal}(K_\infty/K) とすると, X_{K_\infty} は自然な連続  \Gamma 作用を持つ
    • たぶん,これが有限生成ねじれ岩澤加群になるので,昨日の内容を使って公式を導ける(まだやってないので推測)
    • イデアル類群と最大アーベル拡大のガロア群は同型なので、これで類数公式の完成(まだやってないので推測)

2/14:寝坊につきお休み

  • 連続記録が途絶えてしまった・・・残念

2/15:岩澤類数公式の証明(3.1.2)

  • 昨日のお休みを回収するべく、ちょっと長めに時間をとった。
  • 岩澤類数公式の方針は 2/13 に書いた通り。ただちょっとややこしくて、ガロア理論と不分岐拡大を使って頑張って  {\rm Gal}(L_n/K_n) \simeq X_{K_\infty}/(\gamma^{p^n} - 1)X_{K_\infty} を導く
  •  L_{\infty}/K_{\infty} K_\infty の最大不分岐pべき(pro-p?)拡大として、 X_{K_\infty} はそのガロア群
  • 今回は以下の2点を仮定した(この方が筋が見えやすい):
    • [仮定1]  K の素点で  p \in \mathbb{Q} の上にあるものはただ一つ(これを  \mathfrak{p} \in K とおく)
    • [仮定2]  K における唯一の  p 上の素点は  K_\infty/K において完全分岐する
  • 流れ:
    •  G_n = {\rm Gal}(L_\infty/ K_n) の交換子群の位相的閉包  \overline{[G_n, G_n]} を考える。固定体を考えることで, (\gamma^{p^n} - 1)X_{K_\infty} \simeq \overline{[G_n, G_n]} が示せる。
    •  I_n \subset G_n \mathfrak{p} 上にある  K_n の上の一意的な素点での惰性部分群とする。 L_\infty/K_\infty は不分岐拡大で, K_n^{I_n}/K_n で惰性してそこから  L_\infty/K_n^{I_n} で完全分岐するので,これらの拡大は独立に進む。つまり  I_n \cap X_{K_\infty} = \{1\} である。よくわかってないが  I_n \twoheadrightarrow G_n/X_{K_\infty} もわかる。よって  G_n \simeq I_n \ltimes X_{K_\infty}
    • これより  {\rm Gal}(L_n/K_n) \simeq X_{K_\infty}/(\gamma^{p^n} - 1)X_{K_\infty} がわかる
    • 類体論より  {\rm Gal}(L_n/K_n) \simeq {\rm Cl}(K_n)[p^{\infty}] である
    • イデアル類群は有限アーベル群より有限生成ねじれ  \mathbb{Z}_p 加群。したがって  X_{K_\infty}/(\gamma^{p^n} - 1)X_{K_\infty} は有限生成ねじれ  \mathbb{Z}_p 加群。
    • 系2.40(2月7日)より、 X_{K_\infty} は有限生成ねじれ岩澤加群。
    • したがって、2/12 に示した定理 2.45 により  \mathcal{M} = X_{K_\infty} として類数公式が成り立つ。証明終了。
  • 不分岐拡大を使ってうまく同型を示して行って、最後に類体論でバシッとイデアル類群に対応づけるのかっこいい

2/16:岩澤類数公式の証明(3.1.2)(つづき)

  • 上の2つを仮定しない、一般の場合の岩澤類数公式の証明をした
  • ちょっと難しくて証明の流れをかいつまんで説明できない・・・。復習が必要。
    • まず、  K_\infty/K の十分大きな中間体  K_{n_0}/K を持ってきても類数公式を示すのに問題ない( K_{\infty}/K_{n_0} において  K_{n_0} の分岐する素点  \newcommand{\pee}{\mathfrak{p}} \pee_1, \cdots, \pee_s は完全分岐する)
    • 以上の仮定より惰性部分群  I_{\pee_j} \subset \newcommand{\Gal}{{\rm Gal}} \Gal(L_\infty/K) は、 \Gamma と同型である。位相的生成元  \gamma \in \Gamma に対応する  I_{\pee_j} の元を  \gamma_j とおく。
    • 一般の場合には、 {\rm Gal}(L_n/K_n) \simeq X_{K_\infty}/(\gamma^{p^n} - 1)X_{K_\infty} とはならず(右辺が無限群となる場合もある)、実際は {\rm Gal}(L_n/K_n) \simeq (X_{K_\infty}/(\gamma^{p^n} - 1)X_{K_\infty}) \big/ \overline{\langle \gamma_1^{p^n}, \cdots \gamma_s^{p^n} \rangle} となる。
    • これより、不分岐類体論と合わせて次が示される  {\rm Cl}(K_n)[p^{\infty}] \simeq \Gal(L_n/K_n) \simeq X_{K_\infty}\big/ \frac{\gamma^{p^n} - 1}{\gamma - 1} Y_{K_\infty}
    •  \#{\rm Cl}(K_n)[p^{\infty}] = \#(X_{K_\infty}/Y_{K_\infty}) \cdot \# \left( Y_{K_\infty} \big/ \frac{\gamma^{p^n} - 1}{\gamma - 1} Y_{K_\infty} \right) より、 p^{\nu''} = \#(X_{K_\infty}/Y_{K_\infty}) = \#{\rm Cl}(K_0)[p^\infty] とおいて、 \m = Y_{K_\infty} として岩澤類数公式が成り立つ。

雑感

  • あとで書く
  • 一回休んでしまったのがめちゃめちゃ悔しい・・・。


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現在の進捗状況と目標ページ数の比較


朝岩澤理論3:岩澤理論とその展望(上)

第3週目に突入。

tsujimotter-sub.hatenablog.com
tsujimotter-sub.hatenablog.com


の続き。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用なので、分かりにくくても勘弁。

第3週目(2017/2/3 〜 2/9)

2/3:ネーター正規整域上の加群の構造定理(2.3.2)

  • 有限生成  \mathcal{R} 加群への写像  M \rightarrow N が擬同型写像 =>  {\rm Ker} {\rm Coker} が擬零 \mathcal{R}加群( \mathfrak{p}\in P^{1}(\mathcal{R}) に対して長さ  l(\mathfrak{p}, M) = 0
    • 擬同型写像は必ずしも同値関係を定めない(対称律が成り立たない)
    • 有限生成「ねじれ」 \mathcal{R} 加群同士の擬同型写像は同値関係を定める。これを擬同型  M\sim N とかく。
  • 鏡映的  \mathcal{R} 加群:標準的二重双対写像が同型
    • 有限生成自由  \mathcal{R} 加群は鏡映的( \mathcal{R}^{\oplus r}
    • 鏡映的  \mathcal{R} 加群は非自明なねじれ元を持たない( \mathcal{R}^{\oplus r} \oplus \mathcal{R}/f_1 \oplus \cdots みたいな後半部分がない)
    •  \mathcal{R} をネーター正規整域,ねじれのない有限生成  \mathcal{R} 加群  M に対して, M^{*} は鏡映的  \mathcal{R} 加群
  • 自由加群とねじれ加群
    • 自由加群=>ランクが正
    • ねじれ加群=>ランクがゼロ

2/4:ネーター正規整域上の加群の構造定理(2.3.2)(続き)

  •  \mathcal{R} を Krull 次元が2以下で剰余体が有限な完備ネーター正則局所環とする。このとき勝手な鏡映的  \mathcal{R} 加群  \mathcal{N} は有限生成自由加群
    • Krull 次元が0または1のとき, \mathcal{R} はそれぞれ体または離散付値環 (DVR) となる。この場合明らかなので次元が2の場合だけ考えればよい。
    • Krull 次元が3以上の場合一般に成り立たない。たとえば  \mathcal{R} = \mathbb{Z}_p[[T_1, T_2]] のとき

2/5:ネーター正規整域上の加群の構造定理(2.3.2)(続き)

  • Thm 2.3.6 一般的構造定理
    • ネーター正規整域  \mathcal{R} とし、有限生成ねじれ \mathcal{R}加群  \mathcal{M} に対して、一意的に定まる  \mathcal{R} の高さ1の素イデアル  \mathfrak{p}_1, \; \cdots, \; \mathfrak{p}_u があって,擬同型  \mathcal{M} \longrightarrow \bigoplus_{i=1}^{u} \mathcal{R}\big/ \mathfrak{p}_i^{q_i} が存在する(重複もあり得る)
  • 因子イデアル  {\rm Div}_{\mathcal{R}}(M) と特性イデアル  {\rm char}_{\mathcal{R}}(M) が定義された
    •  {\rm Div}_{\mathcal{R}}(M) = \prod_{\mathfrak{p}\in P^1(\mathcal{R})} \mathfrak{p}^{l(\mathfrak{p}, \mathcal{M})}
    •  {\rm char}_{\mathcal{R}}(M) = \left\{ x\in \mathcal{R} \mid {\rm ord}_{\mathfrak{p}}(x) \geq l(\mathfrak{p}, \mathcal{M}), \; \forall \mathfrak{p} \in P^1(\mathcal{R}) \right\}
  •  P^1(\mathcal{R}) は高さ 1 の素イデアルの集合, l(\mathfrak{p}, \mathcal{M}) \mathfrak{p} の長さ。
  • 詳しくはノイキルヒの Chapter V を読もう

2/6:岩澤加群の構造定理と岩澤不変量(2.3.3)

  •  \mathcal{R}=\Lambda_{\mathcal{O}} として「岩澤加群の構造定理(少しだけ精密な構造定理)」を導出した
    •  M \longrightarrow N \oplus \mathcal{R}/\mathfrak{p}_i^{q_i} の擬同型( N は鏡映的 \mathcal{R}加群)
      •  \mathfrak{p}_i は高さ1の素イデアル。
    •  {\rm Ker}, {\rm Coker} の有限性
    •  \mathcal{O}[[T]] は Krull 次元2の正則局所環と Thm 2.34 より、 N は有限生成 \mathcal{O}[[T]] 加群(ランクが出る)
    • 正則局所環より高さ1の素イデアルは単項イデアルであり、またp進Weierstrassの準備定理より、 \varpi または  F_i(T)(既約な非単数根多項式)
  • 今までの定理のオンパレードだった

2/7:岩澤加群の構造定理と岩澤不変量(2.3.3)(続き)

  • 構造定理の完全系列を書いておく  \varphi が擬同型

 \displaystyle 0 \longrightarrow {\rm Ker}\;\varphi \longrightarrow M \xrightarrow{\varphi} \mathcal{O}[[T]]^{\oplus r} \oplus \bigoplus_{i=1}^{s}\mathcal{O}[[T]]\big/(F_i(T)^{n_i}) \oplus  \bigoplus_{j=1}^{t}\mathcal{O}[[T]]\big/(\varpi^{m_j}) \longrightarrow {\rm Coker}\;\varphi \longrightarrow 0

  • 上記の擬同型の先を基本岩澤加群 (elementary module) という。有限生成  \mathcal{O}[[T]] 加群  M に対して,同型を除いて一意的に定まる
    • ものすごーく細いけど、注意 2.42 の最初の式に誤植を見つけた:  \mathcal{O}[[T]]\big/G(T) とあるけど正しくは  \mathcal{O}[[T]]\big/(G(T)) だと思う。
  • 構造定理により岩澤基本加群との擬同型が一意的に定まるので、岩澤基本加群に出てくる多項式と  \varpi とその指数を使って不変量を定める
    • 特性イデアル(ランク  r = 0 のとき):  {\rm char}_{\mathcal{O}[[T]]} (M) = \left(\prod_{i=1}^{s} F_i(T)^{n_i} \prod_{j=1}^{t} \varpi^{m_j}\right)
    • 岩澤 \lambda不変量:  \lambda(M) = \sum_{i=1}^{s} n_i {\rm deg} F_i(T)
    • 岩澤 \mu不変量:  \mu(M) = \sum_{j=1}^{t} m_j
    •  \lambda, \mu って具体的に計算できたんか!!!という驚き
  • ずっと  \mathcal{O}[[T]] で議論していたけど、もちろん岩澤代数 \Lambda_{\mathcal{O}} に対しても構造定理を考えることができる。
    • この場合,位相的生成元  \gamma を固定して,非標準的な同型  \Lambda_{\mathcal{O}} \simeq \mathcal{O}[[T]] を考える。
    •  \mathcal{O}[[T]] の構造定理から  \mathcal{O}[[T]] 加群  M' の特性イデアルを定める。
    • 先ほどの非標準的な同型によって  \mathcal{O}[[T]] から   \Lambda_{\mathcal{O}} に戻して,  \Lambda_{\mathcal{O}} 加群  M の特性イデアルを定めることができる。
    • このとき非標準性が打ち消されて,  M の特性イデアルは標準的になる。

2/8:特性イデアルと岩澤不変量

  • 岩澤代数をべき級数環として表示することで、いろいろ便利だが  \Lambda_{\mathcal{O}} だけで議論することも可能
  • 特性イデアルは加群の「大きさ」を測る不変量の意味がある
  •  \mathcal{M} を有限生成ねじれ  \Lambda_{\mathcal{O}} 加群とする。構造定理から以下がわかる(大切!!)
    •   \mathcal{M} \mathcal{O} 加群として有限生成と   \mu(\mathcal{M}) = 0 は同値
    •   \mathcal{M} が有限アーベル群と   \mu(\mathcal{M}) = \lambda(\mathcal{M})= 0 は同値
  • 特性イデアルの多項式部分には,行列式による解釈がある(行列式を用いて IMC が表せることを思い出そう! --> 2日目)
    •  V = \mathcal{M} \otimes_{\mathcal{O}} {\rm Frac}(\mathcal{O}) \Gamma が連続的に作用するので,位相的生成元  \gamma を用いて以下のように表せる

 \displaystyle \prod_{i=1}^{s} F_i(T)^{n_i} = {\rm det}\left(xE_{\lambda} - (\gamma - 1);  V  \right)|_{x=T}

  • 函数体におけるフロベニウスの作用を思い出そう

2/9:岩澤加群の特殊化に関する代数的な準備(2.3.4)

  • (前回の続き)特性イデアルは Fitting イデアルと関係が深い
  • Thm 2.45  \mathcal{M} を有限生成ねじれ  \mathcal{O}[[T]] 加群とする.特性イデアル  {\rm char}_{\mathcal{O}[[T]]}(\mathcal{M}) は,単項イデアル  (\omega_n(T)) と非自明な共通因子を持たないとする.このとき, \lambda, \mu を岩澤不変量とすると, \nu \in \mathbb{Z} が存在して,十分大きな  n で以下が成り立つ

 \#(\mathcal{M}/\omega_n(T) \mathcal{M}) = q^{\lambda e n + \mu p^n + \nu}

  •  \lambda, \mu, \nu の定め方,十分大きな  n の具体的評価も証明にでてくるよ(お楽しみに)
  • ちなみに  \omega_n(T) はずいぶん前だけど、8日目の Thm 2.10 で  \Lambda_{\mathcal{O}} \simeq \mathcal{O}[[T]] の同型を示すのに出てきた  \omega_n(T) = (T+1)^{p^n} - 1 ですね。

雑感

3週目が無事に終了。

しばらくネーター正規整域の一般論が続いて大変だったけど、2.3.3あたりから岩澤加群の具体的な話が出てきて、しかもこれまで準備してきた道具をバリバリ使って証明が進んでいくもんだから楽しくてしょうがない。

最初の頃は、岩澤代数を  \mathcal{O}[[T]] という「べき級数環」に置き換えるとわかりやすい、という心がわからなかった(そもそもべき級数環自体よくわかっていなかった)が、勉強していくうちに段々とわかってきたかもしれない。たとえば極大イデアルが1つだったり、クルル次元が2で高さ1のイデアルがすべて2種類の単項イデアルだけとか、いろいろわかりやすい性質をもっていて、これが構造定理に具体的に使えるとか。p進ワイエルシュトラスの準備定理とか、このために準備してきたのか、とか。

おかげで環論のモチベーションが出てきたのでアティマクを買った。

Atiyah‐MacDonald 可換代数入門

Atiyah‐MacDonald 可換代数入門


特性イデアルとか岩澤不変量とかも、今までは唐突に現れる印象だったけど、岩澤加群の構造定理から自然に出てくるのだとわかったのは面白かった。ってか、岩澤類数公式の \lambda, \mu って岩澤不変量だったのですね。具体的に定義されていたことにびっくりした。

一般論を先に勉強したことで、どこまでが一般に成り立つことで、どこまでが岩澤理論特有なのかが、少しづつ見えつつあるのもよい。

まだ、3週間で累計21時間しかやっていないが、それでもこんなにも理解が進んで世界の見え方が変わるものなのかと驚いている。それまでは、本を開いてもパラパラ流し見てすぐ閉じてしまっていたのに。もっとがんばったらいったいどこまで進めるのだろう。加群の完全系列で、ごっつい式が出てきても動揺しなくなったのはよいことだ(基本岩澤加群の式とか、最初見たらきっと発狂していたはずだ)。

一方で、やはり2章に入ってから、若干ペースが落ちたきがする。やっぱり思っていた以上に難しいし、先は長い。休日に別途時間をとるなどしてペースをあげないと、目標に到達できないだろう。

朝に1時間決まった時間に勉強することについて。この習慣は自分にはあっていると感じた。一応これでも社会人なので、仕事が終わって帰ってくると疲れて勉強どころじゃない。朝なら誰にも邪魔をされずに勉強できるし、ちゃんと起きれば確実に勉強の時間を取れる。毎日続けている事実が、確かな自信を与えてくれる。

毎朝ラジオ体操をしているのだけど、これも素晴らしい。ここ数日、心なしか身体が軽い気がする。

朝岩澤理論2:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の続き。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用なので、分かりにくくても勘弁。

第2週目(2017/1/27 〜 2/2)

1/27:べき級数環としての岩澤代数(2.2.1)

  • 岩澤代数はべき級数環である [J-P. Serre, 103]
    •  \gamma 1+T に移すような(非標準的な)同型  \Lambda_{\mathcal{O}} \simeq \mathcal{O}[[T]] がある
    • 完備軍艦として見かけ上抽象的に定義された  \mathcal{O}[[\Gamma]] が比較的馴染み深い形式的べき級数と同型(心理的にも抵抗が少なくなり、可換環論的な取り扱いも楽になる
    • 一方で、同一視は  \gamma の選び方に依存する、「非標準的な」構成になっている。
    • 「標準的/非標準的」の例がもっとほしい
  • 「(p進)Weierstrassの準備定理」と「  \mathcal{O} (\varpi) を極大イデアルとする Krull次元が1の完備正則局所環であること」から、系として以下がわかる
    •  \Lambda_\mathcal{O} \simeq \mathcal{O}[[T]] は Krull次元が2の完備正則局所環
    • 素イデアルは単項素イデアル  (\varpi) または  (P(T)) (既約な非単数根多項式)
    • 極大イデアルは  (\varpi, T)(唯一の非単項イデアル)
    • これが「可環論的に取り扱いが楽」っていう例になっているのかな?

1/28:べき級数環としての岩澤代数(2.2.1)(続き)、

  • ワイエルシュトラスの準備定理の証明
  • 補題2.15  R が完備局所環とするとき  F(T) = a_0 + a_1 Y + \cdots = \in R[[T]] が可逆限であるための必要十分条件は  a_0 \in R^\times となることである。
    •  R は局所環なので極大イデアルが1個ある。 a_0 \not\in R^\times ならば、 a_0 は極大イデアルに含まれる。 a_0, T R[[T]] の極大イデアルに含まれるので、 F(T) は可逆限ではない。逆は形式的な計算より得られる。
  • 補題2.16  R \mathfrak{m} を極大イデアルにもつ完備ネーター局所環とする。べき級数  F(T) に対して、ある自然数  l が存在して  a_l\in R^\times かつ  a_0, \cdots, a_{l-1} \in \mathfrak{m} と仮定。このとき、 l 次係数が  1 l-1 次以下の係数がすべて  \mathfrak{m} に入る  P(T) U(T)(可逆元)が存在して  F(T) = P(T) U(T) と一意に表せる
    •  R \mathfrak{m}^i で割って  \bmod{\mathfrak{m}^i} で考えて、 i で帰納法を使う

1/29:測度のなす環としての岩澤代数(2.2.2)

  •  \mathcal{O} を値に持つ  \Gamma 上の測度  \mu を考えて、この測度のなす  \mathcal{O} 加群を  Meas(\Gamma ; \mathcal{O}) と表す
  •  \mu, \mu' \in Meas(\Gamma ; \mathcal{O}) に対して、 g \in \Gamma 上の函数  u(g) に畳み込み積を定義することで、 Meas(\Gamma ; \mathcal{O}) は可換環となる。単位元は、 \Gamma の単位元  1_{\Gamma} に対応するDirac測度  \mu_{1_{\Gamma}}
  • 補題2.19 自然な環同型  Meas(\Gamma ; \mathcal{O}) \xrightarrow{\sim} \Lambda_{\mathcal{O}} がある
  • 命題2.20  \Gamma の連続指標  \eta \colon \Gamma \rightarrow \overline{\mathbb{Q}_p}^\times は、先の同型写像と可換である(可換図式がある)
  • 前のセクションもそうだけど、岩澤代数  \Lambda_{\mathcal{O}} の同型をたくさん用意して、そっちによって色々議論できるように準備しているようにみえる。

1/30:正則函数環としての岩澤代数(2.2.3)

  •  \Gamma 上の  \overline{\mathbb{Q}_p}^\times 値連続指標  \eta \in C_{cont}(\Gamma, \overline{\mathbb{Q}_p}^\times) を考える(これが「空間」上の「点」とみなす)
  •  \Gamma の位相的生成元  \gamma を固定すると、 C_{cont}(\Gamma, \overline{\mathbb{Q}_p}^\times) \xrightarrow{\sim} U(1,1; \overline{\mathbb{Q}_p}) という全単射がある
  • 逆に、 f(\eta) = \eta(f) と定めることで  f\in \Lambda_{\mathcal{O}} は空間  U(1,1; \overline{\mathbb{Q}_p}) (乗法の単位元1を中心としたp進単位開円板)上のある種の函数環と思える
  • 上記の函数環には「一致の定理」の類似が成り立つ
    •  f\in \Lambda_{\mathcal{O}} が無限個の異なる \eta において  f(\eta) = 0 を満たすとき  f=0 が成り立つ
    • 証明はp進Weierstrassの準備定理を用いて、 F(T) \neq 0 ならば単位円板上の零点の個数が有限であることを導いて(導ける?)その対偶をとる
  • 特に円分  \mathbb{Z}_p 拡大 \Gamma = \Gamma_{cyc} のとき、以下の数論的指標が重要となる
    • 開部分群  U \subset \Gamma_{cyc} が存在して  \eta\mid_U = \kappa_{cyc}^w となる( \kappa_{cyc} は円分指標)
    • 重さ w が重要。これを選ぶごとに  w の数論的指標は可算無限個ある
    • 一致の定理により、p進L函数の定まった重さ w の数論的指標での特殊値たちによって、p進L函数を一意に特徴付けられる
    •  \Gamma_{cyc} 以外の多変数岩澤代数にも一般化されるらしい

1/31:変形環やHecke環としての岩澤代数(2.2.4)

  • 「岩澤代数はさまざまなp進理論において形を変えつつ登場する」
  • ガロワ表現の変形環(Mazur)あのバリーメイザー
    •  \mathcal{R} 上の普遍ガロワ変形  \mathcal{T} \simeq R^{\oplus d} がある(いわゆる  R=T ってやつ?)
  •  p 進 Hecke 環
    •  GL(2)_K に対する保型形式はⅡ部・Ⅲ部で登場
    •  GL(1)_K に対する保型形式
      •  GL(1)_K のレベル  \mathfrak{N} を持ち係数環  \mathcal{R} の保型形式の Hecke 環  \;\; \simeq \;\; 導手  \mathfrak{N} の狭義イデアル類群  Cl(K, \mathfrak{N}) \mathcal{R} 係数群環  \mathcal{R}[Cl(K, \mathfrak{N})]
      • 岩澤代数もレベル  p^n の狭義イデアル類群  \Gamma_n \mathbb{Z}_p 係数群環  \mathbb{Z}_p [ \Gamma_n] の射影極限なので、 GL(1)_{\mathbb{Q}} のレベル  p^n の保型形式の空間上の Hecke 環の極限としての解釈を持つ
    • 本書の主張「肥田理論を含めたガロワ表現の変形を中心に据えて、岩澤理論を組み立て直すこと」

2/1:岩澤加群の性質(2.3)(〜p.32)

  • 岩澤代数上のコンパクト加群 = 岩澤加群
    • 例:イデアル類群など(岩澤代数の作用が入る)
    • 岩澤加群に付随する不変量(岩澤不変量 \mu, \lambda)や性質を取り出したい
  • 前提:可換環論(松村)、蛇の補題などの加群の図式・ホモロジー代数(河田)
  • 補題2.23 コンパクトな位相的  \mathcal{O} 加群  M が連続な  \Gamma 作用を持つとき、 M は自然にコンパクト  \Lambda_\mathcal{O} 加群の構造を持つ
    •  \displaystyle M \rightarrow \varprojlim_n M_{\Gamma^{p^n}} が同型であることを示す( M_{\Gamma^{p^n}} は自然に  \Gamma_n = \Gamma/\Gamma^{p^n} 加群より、極限とって右辺は \Lambda_\mathcal{O} 上の加群)
      • 単射: M \rightarrow M_{\Gamma^{p^n}} のカーネルは  \bigcap_{n\geq 1}(\gamma^{p^n} - 1)M である。 M のコンパクト性とネーター性より、これをゼロにできる。
      • 全射: \displaystyle \varprojlim_n M_{\Gamma^{p^n}} の元を  \displaystyle \varprojlim_n m_n とおくと、各 n m_n\in M_{\Gamma^{p^n}} は閉集合。 m_n のプルバックを考えて、 M のコンパクト性より空集合でないことを示す。
  • Pontryagin双対  A^{\lor} \Lambda_{\mathcal{O}} 加群
    •  A^{\lor} = {\rm Hom}_{cont}(A, \mathbb{Q}_p/\mathbb{Z}_p) には  g\in\Gamma とすると、 f\in A^{\lor} に対して  (gf)(x) := f(g^{-1}x), \;\; \forall x\in A として  \Gamma の作用が入る
    • そういえば、楕円曲線のセルマー群のほうで Pontrjagin 双対が出てきた(たしかこれにしないと有限生成捩れ岩澤加群にならない)。
  • 定理2.25(岩澤加群の位相的中山の補題)
    •  M をコンパクト  \Lambda_\mathcal{O} 加群として  \mathfrak{m} を極大イデアルとする。 M/\mathfrak{m}M が位数有限なら  M は有限生成  \Lambda_\mathcal{O} 加群
    • 一般の場合について述べた上で証明(明日)

2/2 :岩澤加群の基礎事項と有限性補題(2.3.1)(〜p.33)

  • 一般の中山の補題を証明した(ざっくり言うと、 R/m 加群  M/mM が有限生成なら  R 加群  M も有限生成。)
    •  R のネーター性からクルルの交叉定理を使って、前回と同じように極限に飛ばすという流れ。面白い。
  • 「2.3.2 ネーター正規整域上の加群の構造定理」にもちょろっと入った。
    • 岩澤加群の構造定理(イデアルで割った剰余の直積で「擬同型」が作れる)を示すために一般的な場合で述べる
    • 構造定理において、岩澤代数の「完備性」などの性質は本質的でない
    • 定義の説明に「高さ」が出てくるらしい
    • 「正規性」ってなんだろう・・・

二週も続いているのは、すごい。このまま継続したい

しばらく岩澤代数の基本的な話が続いたが、ようやく岩澤加群の構造定理の話に入ってきて、テンションが上がっている。先取りすると、構造定理によって任意の岩澤加群を「擬同型」という形で表現することができる。さらに表現によらない岩澤不変量が取り出せる。これが重要。


「可換環論」をちゃんと勉強していないので、よくわからない箇所が多々でてきた。ちゃんと勉強したほうがいいだろうか・・・。しかし時間がない。

復刊 可換環論

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Atiyah‐MacDonald 可換代数入門

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