tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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数学

保型形式に対する「作用」についてのメモ書き

任意の に対して、 がを満たすというのが、保型性の定義なわけです。 変数 に対する の作用を、一次分数変換で定めます。このような変数の変化に対して、 がどのように振る舞うかというと、実は保型因子 が飛び出てくるんだよ。僕はそういう理解だった。 し…

確率と測度(自分用メモ)

「確率ってこういうことなんかな」というのが分かってきた(気がする)ので、メモがてらツイート。標本空間を考えて、その部分集合(事象)に[0,1]の値を割り当てたい。このとき、部分集合の和がちゃんと割り当てる値の和に等しくなるようにしたい。 そんな…

微分多様体のイメージ(※あくまで私個人の持つイメージです)

微分多様体のイメージ、まっさらな位相空間にユークリッド空間 の一部がペタペタ貼り付いたもの。この貼り付いた部分を「ペタペタ」と呼ぼう。このペタペタの座標を使って、多様体の各点の座標を定められる。ただし、2つの「ペタペタ」が重なっているときは…

加藤和也先生の講演アブスト(動画付き)

日本数学会の70周年の折に、加藤和也先生が記念講演をされたそうで、以前からその内容が気になっていました。講演のアブストラクトは読んだことがありました。 http://www.mathsoc.jp/pamph/history/70th2016/abstract/70-kato.pdfその講演動画が、日本数学…

円分多項式の既約性とカタラン予想

カタラン予想の議論でというのがありました。 tsujimotter.hatenablog.com これって実は円分多項式の既約性判定の議論とまったく同じだということに気づきました。 既約性判定の議論を思い出すと としてとなります。ここで の係数は 次の係数が で割り切れて…

ザリスキー接空間

tsujimotter.hatenablog.comこの記事でザリスキー接空間を扱ったのだが、そのときは余接空間 の双対空間として定義した。もう少し直接的に接空間をできるらしいと聞いたので、考えてみたいと思う。環準同型から始めたいと思う。 として、点 における局所環 …

0割りの話

「a ÷ 0 = ?」の話は度々話題になって、「0 で割ることはできないんですよ」というと「そんなことない。こうやったら割れるだろ。」と反論する人がいる。この辺の諍いが発生するのは、前提条件と論理が共有できていないからだと思う。結局、上の下線部の主…

逆関数の微分は微分の逆数

複素数 の間になる関係があるとします。 がともに正則関数であるとき、 は双正則であるといいます。正則なので微分ができるわけですが、このとき次が成り立ちます:さて、これは「逆関数の微分は微分の逆数」であるということを表しています。単に、式の形だ…

偏微分の連鎖律の証明

今日は偏微分の連鎖律について。、、 がそれぞれ偏微分可能な関数として、特に が 級関数とする。このとき、が成り立つ。つまり、 を で微分したものは、 を で微分したものと を で微分したものの積に、 を で微分したものと を で微分したものの積を足した…

多項式の根の対称式

Twitter上でこんな問題があったので、メモがてらまとめてみます。ax^2+bx+c=0の2解をα、βとするとき、(α+1)(β+1)の値を求めるのに展開し始めて、ちょいと待て!とw— 河合祐介 (@tkawai18_tkawai) 2021年1月29日 2次多項式の根と係数 2次多項式 の2根(重根で…

複素関数の正則性とコーシー・リーマンの関係式

前回の記事とも繋がるのですが、元々は複素関数の正則性の定義について考えていたのでした。すなわち、複素関数 において、が存在するとき、 は で微分可能(正則)であるといい、この極限値を と表す。 での極限は、前回注意したように任意の方法で近づけた…

片側極限と極限

複素関数 の微分可能性(正則性)の定義はなる極限が存在することである。ここで、極限が存在するというのは、 を任意のやり方で へ近づける方法を考えて、どのやり方であっても同じ値に収束することをいうわけです。だから、単に一直線に近づくだけでなく、…

メモ:線形空間の基底と普遍性、そして随伴

結城先生のツイートと黒木玄さんのツイートをきっかけに、下の記事の命題2.13が圏論的に解釈できることを理解した。 tsujimotter.hatenablog.comできれば本ブログでもまとめたい感じの内容ではあるけど、メモがてらこちらのブログに書いておく。 集合を対象…

メモ:フェルマーの2平方定理の環論的な証明

素数と2次体の整数論の勉強会「ゆるにじたい」をしている際に、ふと数学漫画「数字であそぼ」の話題になりました。5巻で「フェルマーの2平方定理」の証明が載っていたのですが、その証明は我々が勉強していたものとは違うものでした。せっかくなので、それを…

Shorのアルゴリズム(勉強過程)

量子コンピュータが話題になっている昨今ですが、そのきっかけの一つとなったのは、素因数分解ができるという量子アルゴリズム「Shorのアルゴリズム」でしょう。以前から、その仕組みを理解したいと思っていたのですが、よいきっかけがあったので少しずつ勉…

類数25の例

(類数25: ) (素因数の個数:5(重複含む)) (素因数の個数:2(重複含む)) (素因数の個数:4(重複含む)) (素因数の個数:4(重複含む)) (素因数の個数:4(重複含む)) (素因数の個数:4(重複含む)) (素因数の個数:5(重複含む)) (…

虚2次体の類数が2のときのオイラーの素数生成多項式

以下の記事で書いたように、 が平方因子を持たないとして、虚2次体 が類数2であることとが で素数か半素数(平方数も含む)であることが同値になることが知られています。 tsujimotter.hatenablog.com そこで、虚2次体 が類数2であって、 の形で表されるすべ…

楕円曲線のハッセの定理とL関数の絶対収束(訂正版)

(前の記事に大きな勘違いがあったので修正しました。) 楕円曲線 に付随するL関数 が絶対収束する条件について考えたい。ここでであり、楕円曲線 の での還元を と表す。なお、本当は良い還元を持つかどうかでオイラー因子の形が変わるのだが、今回は一旦無…

楕円曲線のハッセの定理とL関数の絶対収束(間違い)

この記事の執筆の際に無限積についてかなり大きな勘違いがありました。 以下の記事で訂正版を記載していますので、こちらをご覧ください。tsujimotter-sub.hatenablog.com間違った過程を残すのも悪くないと思い、こちらの記事はあえて残しています。 楕円曲…

最近興味があること3

そういえば、こんなのを作っていたのを思い出した。多項式環のクラスをPythonで作った。中国剰余定理を実装したので「月を入力すると日を返す多項式」を計算できるようにした。 polynomial.py · GitHub楽しかったのでそのうち紹介したい。 (こうして書きた…

最近興味あること2

「最近興味あること」で書いた「虚数乗法論」について記事を公開することができて嬉しい。自分なりの学び方として、Sagemathを使って具体例を計算するところを示せたのがよかったと思う。それによって、例なしで学んでいた頃よりも理解度がかなり上がったと…

最近興味あること

こっちのブログはほとんど読者はいないので、こっそり最近興味あることについて書きおきしておこうかなと思います。だいたいは、ある程度勉強して自分の中で理解は進んでいるのだけど、忙しくてブログにまとめられていない記事たち。先に誰かに解説を書かれ…

平方剰余の個数は (p-1)/2 個である

「 の平方剰余の個数が になること」について気になった。群論を使うと、以下のように明快に示せる(ていると思う)のですが、もう少し初等的にも計算できそう(やり方は知らない) 主張 を素数とし、 とする。 としたとき、 である。 証明 より、 は群準同…

ペル方程式に帰着できる問題たち

最近、Twitter等の数学好きの間で、ペル方程式に帰着できる問題についての話題をいくつか見かけたので、それらをまとめておきたくなりました。この問題は に帰着できます。3辺の長さが整数723、724、725で構成される正三角形に近い三角形の面積は、なんと整…

対応関係

「ガロア群の作用を与える」って具体的にどういうことなんだろうと思っていたけど、なるほどフロベニウスの作用を具体的に記述すれば良いのかと納得した。 上の円分拡大 の場合を考える。ここで とする。添加元 に対する、フロベニウス の作用は 乗になる。…

数学語

「数学語」と私が勝手に呼んでいるものがある.一般に用いられる日本語ではあるものの,数学の議論の中でしか使わない用法をする言葉のことである.ある意味テクニカルタームなのだけれど,独学だとなかなか気づきにくい.その中の一つとして「~によって特…

誤差逆伝播法の計算

昔計算したんだけど、また忘れたので計算してみた。誤差逆伝播法は、多層のニューラルネットワークを考えたときに、その重みを学習するための方法の一つである。バックプロパゲーション(Backpropagation)とも言う。やってみるとわかるが、出力の誤差を計算…

レムニスケート関数とペー関数

レムニスケート関数とペー関数の関係について気になったのでメモ。 としてが成り立つ。ってことは、単位レムニスケート曲線は楕円曲線に有理変換で移りあうということか。参考: http://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/ellfunc.pdfの p.46 参照。

「K上の」代数曲線

を多項式環のイデアルとする。多項式環なので は多項式のイメージ。ちなみに一変数っぽく書いているけど、 である。 ここで、多項式(イデアル)の 零点集合を考える。多項式の零点を集めた集合のことで、ようするに楕円曲線 とか円 の解の集合みたいなもの…

分数の合同式についての疑問

クンマーの合同式でよく出てくる分数の合同式.あの合同式はうまく定義されているんだろうか. をそれぞれ既約分数として、 が と素であるとする.このとき「分数の合同式」をを計算し,既約分数で表示したときの分子が で割り切れること,と定義する. 気に…