tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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数学

j-函数に関するあれこれメモ

山本先生の「数論入門2(岩波講座現代数学への入門)」に、僕が知りたかった「楕円モジュラー関数」と「虚二次体」の話が、この上なくわかりやすく書いてあったので、ここにご報告します。岩波講座 現代数学への入門〈5〉(9-10)数論入門1・2作者: 山本芳彦…

円分体の類数(相対類数)を調べたときのメモ

Wikipedia Cyclotomic field - Wikipedia 円分体 - Wikipedia 相対類数 (OEIS) 素数 p に対して A000927 - OEIS100 までの素数 https://oeis.org/A000927/b000927.txt一般の n に対して A061653 - OEISn = 162 まで https://oeis.org/A061653/b061653.txt Wi…

触れるゼータ関数はほかにもあった!

ボストン科学博物館でみれるらしい.ボストン科学博物館に、ζ関数を拝みにきました。 pic.twitter.com/SIqF5X9uPF— akita11/JunichiAkita (@akita11) August 24, 2016実際,公式ウェブサイトにいくと,それらしい写真が. www.mos.org そして3Dプリンタで出…

アイゼンシュタイン級数

英語版のアイゼンシュタイン級数の項目がなかなか充実しています Eisenstein series - Wikipedia, the free encyclopedia まず、保型性の証明が好き。あと、アイゼンシュタイン級数のq展開には約数関数が出てくる(約数関数のお化けみたいな級数)のだけど、…

ネットで読める岩澤理論の解説

最近この分野に興味をもって勉強しています。自分用の備忘録としてまとめておきます。 解説 原隆さん、総実代数体の非可換岩澤理論の展開 、@城崎新人セミナー https://www.math.kyoto-u.ac.jp/insei/proceeding/2008/hara.pdf@整数論サマースクール2008 h…

4n+1 型の合成数は2つの平方数の和であらわせるか?

私の日曜数学活動をサポートしてくれているパートナーから以下のような趣旨の質問をもらった。 (4n+1型の素数が必ず2つの平方数の和でかけるが)4n+1型の合成数は2つの平方数の和で表せるのか? これについては実はあまり深く考えたことがなかった。とて…

ガウス和が二次体の元になるのはなぜ?

ガウス和 をのように定義したとき、となるような square-free な整数 が存在することを示します。 は、二次体に付随するディリクレ指標で、以下のような準同型写像として定義されます。 以下は仮定します。 まず、 とおく。準同型定理より は の正規部分群で…

偶数ゼータの分母の求め方

こんなツイートをみかけたので。こうですか pic.twitter.com/u9LmEuq9WZ— ╭( ・ㅂ・)وउन्माद भाल्ल (@ryokubu2718) 2016年3月12日分母は von-Staudt & Clausen の定理があるので簡単に求まります。分子は、イデアル類群と関係があったりで、まったくもって自明…

存在して一意であれば「名前」をつけよう

「存在性の証明」と「一意性の証明」が大事だという感覚がなんとなくわかってきました。この2つを保証すれば、一意に定まる数(や関数など)を考えることができるんですね。一意に定まると言うことは、これに「名前」をつけることができるのです。たとえば…

「楕円曲線って何ですか?」という質問に対して、定義を答えて返すのはきっと何の意味もない

最近、楕円曲線に関しての進展があったようで、twitterの数学徒の間では話題になっているみたいである。楕円曲線は、フェルマーの最終定理の話ではよく出てくるし、ミレニアム問題のBSD予想にも関わっているし、何かとよく聞くワードではある。こういう状況…

Q. 無限級数の掛け算のやり方 についての回答

本編のブログ、 tsujimotter.hatenablog.comの数式展開について、以下のような質問をいただきました。okwave.jp 上に書いた私の回答におきまして、数式箇所が読みづらかったため、こちらのブログに同様の内容を書き留めておきたいと思います。時間ができたら…

ユークリッドにとって図そのものが数学的対象

最近、折り紙の作図可能性について議論したり、チューリング・マシンの計算理論について調べまくっているのですが、その中でユークリッドの作図理論についての考えが、まるで一変したのでメモしておきます。***作図の理論は、定木とコンパスのみを使った…

今,密かに「互いに素」がマイブーム

今,「互いに素」が熱い。互いに素という言葉は,否定的な響きのする数学用語であるが,こと整数論においては非常に強力な武器なのだ。 互いに素といえば「ユークリッドの互除法」を思い出す。互いに素な2つの数から,ユークリッドの互除法により という数…

正十二面体群を可視化するための戦略

正十二面体群 を,特殊直交群 に埋め込んでやれば,内部状態を「回転方向(法線)ベクトル」と「回転角」だけで制御できる。ということに気づいた。これは良い作戦ではないだろうか。 正多面体群2 [物理のかぎしっぽ]

続・xx + xy + 6yy の形で表せる素数

として, と書ける素数について。以下の記事でいろいろ面白い事実について書いた。 tsujimotter.hatenablog.com の式を展開し,その の係数を としたとき, となるような素数 は, の形で表せるという。上の記事を書いたときは,その仕組みは分かっておらず…

三重積に関する面白い話

ヤコビの三重積に関連した面白い記事を見つけたのでメモ。A remark on Borcherds construction of Jacobi forms http://www.ma.noda.tus.ac.jp/u/ha/Data/kyushu.pdf あと、五角数定理は分割数とも関係するらしい。 もうひとつの五角数定理

X^3-2 が 素数 p で完全分解する条件と三次剰余の相互法則

解きたい問題は,素数 に対して, で が完全分解するような の条件。三次剰余の相互法則を使って解く。以下の記事に置ける TSKi さんのコメントを受けて,一気に理解が深まったので,忘れないうちにメモ。tsujimotter.hatenablog.com 三次剰余の相互法則 と…

絶対ガロア群とガロア表現

難しい文章を読んでいるとたまに見るんですが、何やらけったいな名前だと思っていたのです。が、実際のところはたいした話ではなかった。方程式論とかで使う 上のガロア拡大としては、 上の最小多項式の根である代数的な元 を考えて を に添加した拡大体 を…

ブラハマグプタの恒等式

この式はブラハマグプタの恒等式といいますが、実は「2個の平方数の和の全体が積に関して閉じている」ことを示す式だったんですね。高校で、意味もなく因数分解の計算させられた記憶しかない式ですが、ちゃんと意味のある式なんですね。感動。 関連ページ: …

Z[√-5] のイデアルについて (3)

シリーズ1本目の記事はこちら: Z[√-5] のイデアルについて (1) - tsujimotterの下書きノートtsujimotter-sub.hatenablog.comシリーズ2本目(前回)の記事はこちら: Z[√-5] のイデアルについて (2) - tsujimotterの下書きノートtsujimotter-sub.hatenablo…

Z[√-5] のイデアルについて (2)

シリーズ1本目の記事はこちら: Z[√-5] のイデアルについて (1) - tsujimotterの下書きノートtsujimotter-sub.hatenablog.com イデアルとは,数をまとめた集合のことである。数をまとめた集合同士の計算をしなければならないので,単なる数の計算よりもやや…

Z[√-5] のイデアルについて (1)

3回に渡って「整数論」に関する1つの興味深いトピックについて書いていこうと思う。 二次体 上の整数環 を考えたときに,その代数的整数に対して「素因数分解の一意性は必ずしも保証されない」という問題についてだ。 たとえば, として,虚二次体 を考え…

e と 1/e の話

前回、ネイピア数 の話をしたので、今度は の話をしよう。 の定義はこうだった。で、ここにひとつマイナスをつけると が現れる。一瞬「えっ?」って思うかもしれない。マイナスを付けただけで、逆数になってしまうのだから、ちょっと不思議な感じがする。 が…

ネイピア数 e をいかにして自然に導入するか

ネイピア数 。自然対数の底。自然対数という割に、ぜんぜん自然じゃない、と私は思っていた。どの説明を聞いてもどうにもしっくりこない。つい先日、この数を人に説明する機会があったのだが、どうにも歯切れの悪い説明になってしまった。この数を、どうにか…

「R[X]/〈X^2+1〉が C に同型」が味わえるようになってきました

昨日仙台のノラヤさんというコワーキングスペースで講師をして参りました。 こちらについてはまた本編のブログで紹介するとして。準備の中で、作図の理論、具体的には「円分方程式」の勉強していました。こういうときってテンションが上がっているので、もの…

ゼータ関数に関する記事が色々なところに載りました

あ、こういうことをまとめておくのに「下書きノート」を使えば良いんだ。と思ったので、備忘録的にまとめます。 なるほどわからん! 「 触れるゼータ関数」が298,999円(素数)で販売kai-you.netはてなブックマーク - なるほどわからん! 「 触れるゼータ関…

「双曲空間が分かった!」と感動しました

「基本領域ゲーム」を作った - tsujimotterのノートブックtsujimotter.hatenablog.comで紹介した「基本領域ゲーム」をきっかけとして、taketo1024 さん と matsumoring さんと私による「双曲空間」に関する議論が始まりました。結果として、tsujimotterの中…

ガウスの数学日記を買いました

じゃん!表題のとおり「ガウスの《数学日記》」という本を買いました! この本、ガウスが若い頃いつも持っていて、整数論の面白い定理を見つける度に書いていたと言われる数学日記をまとめた本です。 (正確に言うと、実は休暇中に実家に置き忘れて、しばら…

ディリクレの単数定理とペル方程式

前の記事で「単数って面倒だよね」という話をした。そのときは, のような虚2次体の整数環を考えていたわけだ。 これで面倒だと騒いでいたわけだが,虚2次体の整数環における単数は「所詮」有限個しか存在しない。実は,実2次体の場合は,単数は無数に存…

素因数分解の一意性と単数

とても良い気付きを得たのでメモしておく。整数 の世界では,素因数分解は一意に定まる。つまり, のように書けて,これ以外の形で分解されることはない。これを,素因数分解の一意性という。 一方で, の世界を考えると,この世界では素因数分解の一意性は…

中国の剰余定理(メモ)

が直和分解できるという話と,中国の剰余定理は関係があるらしい。というか,前者は後者の一般化になっているという。忘れないようにメモ。ちゃんと理解したい。 http://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/algspa.pdf きっかけは,こちらのサイトにある期末試験…

二次体の整数環の本当の定義

前回は「整数環はややこしい」と言ったところで終わりました。 二次体の整数環はややこしい - tsujimotterの下書きノート 二次体の整数環はややこしい - tsujimotterの下書きノート 今回は,整数環の本当の定義を説明しましょう。その前に,最小多項式の話を…

二次体の整数環はややこしい

整数論の話を読んでいてややこしいなと思った話を。二次体という対象があります。これは有理数体 に を添加した体のことです。 は整数 の元で,平方数ではありません。記号ではこう書きます。この集合は, と を基底としたベクトル空間を成すのです。つまり…

平方根のガウス記号

本編のブログでこんな記事を書いていたときに, 平方剰余の第一補充則から二平方定理を導く - tsujimotterのノートブック 平方剰余の第一補充則から二平方定理を導く - tsujimotterのノートブック 途中で以下の不等式が出てきました。記事ではさらっと流して…

イデアルを三角関数で表す

今日は「サインカーブ整数論」について。 って, のときに,イコール になりますよね。 このように,関数の値がイコール になる点のことを「ゼロ点」って呼びます。で,このゼロ点全体の集合はちょうど,整数全体の集合 と一致しますよね。 これ,面白いなと…

Gnuplot を使った楕円曲線の書き方

今日扱いたい楕円曲線はこれ。同次型がこれ。 とそれぞれ代入して,二次元平面に射影したあと,それぞれの平面で書いたグラフがこちら。 実はこのグラフを書くだけでも,結構苦労したんだ。だって,楕円曲線って「陰関数」だからね。いつもの Gnuplot じゃあ…

ワイエルシュトラスの楕円関数が計算できない

ワイエルシュトラスの楕円関数を計算しています。目標はこんな図。"Weierstrass elliptic function P" by Fibonacci - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

ワイエルシュトラスの「ペー」の書き方

ワイエルシュトラスのペー関数と呼ばれる楕円関数があります。この関数は,基本的な楕円曲線である「ワイエルシュトラス型の楕円曲線」をパラメトライズする楕円関数として,非常に重要です。ペー関数は,こんな感じで書けるのですが,重要なのは,左辺にあ…

レムニスケート周率表を買ったよ

最近、楕円関数に凝っていて、その流れで「暗黒通信団のレムニスケート周率表」を買いました。レムニスケート周率1,000,000桁表作者: 真実のみを記述する会出版社/メーカー: 暗黒通信団発売日: 2014/06メディア: 単行本この商品を含むブログを見る一家に一冊…