tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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「K上の」代数曲線

を多項式環のイデアルとする。多項式環なので は多項式のイメージ。ちなみに一変数っぽく書いているけど、 である。 ここで、多項式(イデアル)の 零点集合を考える。多項式の零点を集めた集合のことで、ようするに楕円曲線 とか円 の解の集合みたいなもの…

AECのメモ

不変微分の定義 [AEC III.5, The Invariant Differential, p.75] 不変微分はtranslation-by--mapに対して不変であるの証明 [AEC III.5.1, p.76] C上の楕円曲線と微分形式の線積分 [AEC, VI.1, Elliptic Integrals, p.158] K上定義された代数的集合 defined o…

分数の合同式についての疑問

クンマーの合同式でよく出てくる分数の合同式.あの合同式はうまく定義されているんだろうか. をそれぞれ既約分数として、 が と素であるとする.このとき「分数の合同式」をを計算し,既約分数で表示したときの分子が で割り切れること,と定義する. 気に…

特定の虚数乗法を持つような楕円曲線を作る方法

一つ前の記事と紛らわしいが、虚2次体 の整数環 が与えられたとき、自己同型環が となるような楕円曲線 を作ることができる。参考は、楕円曲線論概説(上)のp.121を読むこと。 を 0 でない の分数イデアルとする。埋め込み によって、 を の格子とみなす。…

j不変量が指定の値とするような楕円曲線のモデル

いつも忘れるのでメモ。[AEC III.1. Prop. 1.4 (c)] を参照すること。 に一致するような楕円曲線 のWeierstrassモデルを求める。 の値によって場合分けする。 のとき: のとき: のとき:

「趣味で数学をすること」の壁

「趣味で数学をすること」については、2つの壁があると思っています。一つの壁は「まわりに話のできる仲間がいない」ということです。学んだことを誰かに語りかけたい気持ちは、誰しもどこかに持っているはずですが、一方で、実生活の中で自身の学んだ数学…

練習問題:部分分数分解の公式

tsujimotter.hatenablog.comの記事で書いた問題が気になったので計算してみた。 練習問題: 以下の式を部分分数分解せよ。 式 を の周りでローラン展開するととなる。ここで、両辺に をかけるととなる。 を代入するととなり、 がわかる。 ここで の計算が少…

平方完成と2次拡大

標数が2でない体Kの2次拡大の同型類全体は、K^×/(K^×)^2という可換群の非単位元全体と1対1対応があります。これは平方完成というテクニックによって示されます。そう、中学で習うあの平方完成です。標数が2の場合にどう変化があるか考えてみましょう。— p…

素数ゼミの記事

ネットニュース www.huffingtonpost.jpnature https://www.nature.com/articles/s42003-018-0025-7

モチーフ

モチーフ-代数多様体の数論的骨格/望月新一/ http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Mochiifu.pdf いつかこの記事の背景にあるようなことを理解できるようになりたい

積分定数の記事の面白かった点

下書きノートの積分定数の記事を、本編のブログにまとめ直しました。 tsujimotter.hatenablog.com この記事、tsujimotter的には、以下の3点が特に面白かったです。 積分定数の空間は、微分方程式の視点で考えると線型空間となって、しかも0次のド・ラームコ…

積分定数(その2)

まさかその2を書くことになるとは思わなかった。先の記事をツイートしたら、umezakiさんという方から「積分定数は0次のド・ラームコホモロジーとみなせる」ということを教えて貰った。感激したので、忘れないうちにメモ。ド・ラームコホモロジーについては…

積分定数

数学ガール「ポアンカレ予想」を読んでいて(あまり本題に関係なく)感動したのが、不定積分についてである。 の不定積分は、原始関数 を用いて以下のように表せる。ここで、 は積分定数である。高校の時からずっと機械的に(もしくはおまじない的に)「 は…

多様体の勉強をしてみての雑感

いまかんがえると、一般相対論は可微分多様体の上で展開されていたんですね。舞台の存在がわかると安心する。相対論で「座標変換に対して不変な物理量」にこだわっていたのは、局所座標にとらわれないで、多様体上にとって本質的な議論したかったからなのか…

ガロア表現に関する資料

ガロア表現に関する参考資料をまとめます。 ガロア表現サマースクール 整数論サマースクール2009「l進ガロア表現とガロア変形の整数論」 報告集の原稿ページ http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~ochiai/ss2009proceeding/ss2009proceeding.html特に以下を読…

Chebotarevの密度定理の使い方がわかった

2つのガロア表現 が与えられたとき,その同値性の判定は簡単ではない.ところが,それぞれのガロア表現の半単純化 に関して言えば, のすべての不分岐な素点 に対するフロベニウス元()のトレースの値 の一致によって同値性を判定できる.面白いことに,こ…

学術講演の質問

質問に対する講演者の対応について。基本は(悪意がない限り)「理解できなかったから質問している」はずなので、たとえ講演内容と重複しても、もう一度丁寧に説明し直してあげるくらいがちょうどいいと思うんです。 間違っても「そんなん講演聞いてたらわか…

今朝見た変な夢3

今日は、今朝見た夢について話そうと思います。 ゴジラが街中を歩いているところから話ははじまります。*1 自衛隊は駆逐のために作戦行動を取っていました。*2(先日、シン・ゴジラを観た影響でしょうか) 道路を自衛隊が車で誘導。*3 誘導者が爆発して解決…

2次体の類数と連分数

ものさんという方に教えていただいたのですが、ザギヤー「数論入門 ゼータ関数と2次体」という本に面白い定理が載っていたので紹介します。数論入門―ゼータ関数と2次体作者: D.B.ザギヤー,片山孝次出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1990/08/02メディア: 単…

朝岩澤理論13:岩澤理論とその展望(下)

tsujimotter-sub.hatenablog.comの続き。12については、下書き記事があるので、そのうち公開する。 下巻、第4章「楕円曲線の岩澤理論」を読んでみての感想とまとめを書く。これまでは毎週書いていたが、とても書く余裕がないので、キリのいいときに書くこ…

シュレディンガーと猫と私

シュレディンガーの猫 シュレディンガー「ふっはっはっは。お前がこの箱を開けた瞬間に、箱の中の猫が生きているか死んでいるかが確……」箱の中の猫「にゃーん」 シュレディンガーの元気な猫 シュレディンガー「ふふふ。お前がこの箱を開けた瞬間に、箱の中の…

自分メモ:収穫逓減

まず、「収穫逓減」って「しゅうかくていげん」って読むらしいですよ。 読み方すら知りませんでした。経済学の言葉で、意味は「収穫を大きくしようと規模を拡大しようとしても、収穫の増加量が予想より小さくなってしまう」という現象のことらしい*1。 わか…

Ray class field

上の Ray class field(円分体論) の の Ray class field は,となる.ただし, は -等分点全体の集合. 虚2次体 上の Ray class field(虚数乗法論) を虚2次体とし, を と同型な自己準同型環を持つ(虚数乗法を持つ)楕円曲線とする.このとき, の に…

めっちゃ悩んだ

に対して と仮定するとき, が成り立つ。が理解できなくて,半日ぐらい悩んでいました。下のような図を書いてみたらようやくわかった。こういう和の取り方って,いっつも悩むんですけど,うまい考え方あるんでしょうか・・・。

朝岩澤理論11:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.comの第11週目。 ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。 第11週目(2017/4/1 〜 2017/4/7) 4/1:Euler系を用いた方法による証明(3.3.3) Stickelbergerの定理 Stickelberger元をアーベル体の分数イデアルに…

朝岩澤理論10:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.comの第10週目。 ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。 第10週目(2017/3/24 〜 2017/3/31) 3/24:WilesによるIMCの証明 (Step I) 基本的な方針はRibetの定理の議論の一般化 ところどころにそのままではうま…

j-函数に関するあれこれメモ

山本先生の「数論入門2(岩波講座現代数学への入門)」に、僕が知りたかった「楕円モジュラー関数」と「虚二次体」の話が、この上なくわかりやすく書いてあったので、ここにご報告します。岩波講座 現代数学への入門〈5〉(9-10)数論入門1・2作者: 山本芳彦…

朝岩澤理論9:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.comの第9週目。 ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。 第9週目(2017/3/17 〜 2017/3/23) 3/17:モジュラー的な岩澤手予想の証明()(つづき) Ribet の定理の証明について概略を学んだ(Mazur-Wilesの証明は…

朝岩澤理論8:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.comの第8週目。 ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。 第8週目(2017/3/10 〜 2017/3/16) 3/10:イデアル類群の円分岩澤主予想(3.3.1) 版岩澤主予想を定式化した イデアル類群の円分岩澤主予想の証明のため…

朝岩澤理論7:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.comの第7週目(なかなかしんどい週だった)。 ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。 第7週目(2017/3/3 〜 3/9) 3/3:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき) (あとで全体像を理解してから書い…