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tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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朝岩澤理論6:岩澤理論とその展望(上)

朝岩澤理論

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第6週目。
(もう6週目か!)


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第6週目(2017/2/24 〜 2017/3/2)

2/24:Bernoulli数とDirichletのL函数の特殊値(3.2.2)

  • 今日はベルヌーイ数  B_{r} と一般ベルヌーイ数  B_{r,\eta}(導手  N のDirichlet指標  \eta で捻ったもの)を定義した
  •  \eta(-1) = (-1)^r を満たす任意の Dirichlet 指標  \eta に対し  L(\eta, 1-r) = -\frac{B_{r,\eta}}{r} が成り立つ
  • ところで、この本で定義されたベルヌーイ数と一般ベルヌーイ数は  r=1 +1 だけずれる(と思う。たぶん B_1=-\frac{1}{2} B_{1,\mathbf{1}}=+\frac{1}{2}
  • なんで揃えなかったのだろうか?(ベルヌーイ数の分子を  z から  ze^z にすれば一致するけれども)

 \displaystyle \frac{z}{e^z-1} = \sum_{r=0}^{\infty}B_r\frac{z^r}{r!}
 \displaystyle \sum_{i=1}^{N}\frac{\eta(i)ze^{iz}}{e^{Nz}-1} = \sum_{r=0}^{\infty}B_{r,\eta}\frac{z^r}{r!}

2/25:岩澤によるp進L函数の構成(3.2.3)

  • Stickelberger元を使った岩澤によるp進L函数の構成法について学ぶ
  • Stickelberger元の定義とその性質についての証明を追った
  • しかしさっぱりわからない。導手 Np^e のDirichlet指標 \psiによって定義される群環の元であることはわかるが、これが一体なんなのだろうか。

2/26:岩澤によるp進L函数の構成(3.2.3)(つづき)

  • 昨日はあんなこと言ってすみませんでした。Stickelberger元は非常に重要でした。まさかStickelberger元の極限をとったものがp進L函数だったなんて
    • これを知ってからテンションが上がりすぎてやばい
  • 岩澤によるp進L函数の構成:
    • Stickelberger元  \Xi_n(\psi) \in \mathbb{Q}_p[\psi][\Gamma_n]  \psi \neq \mathbf{1} のとき  \Xi_n(\psi) \in \mathbb{Z}_p[\psi \omega^{-1}][\Gamma_n] )の逆極限をとるとp進L函数が定義できる  \displaystyle L_p(\psi) = \varprojlim_n \Xi_n(\psi)
    • すると, \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}} L_p(\psi) \in \begin{cases} \Lambda_{\cyc, \psi} & (\psi \neq \mathbf{1}) \\ \frac{1}{\gamma - \kappa_{\cyc}(\gamma)}\Lambda_{\cyc} & (\psi = \mathbf{1}) \end{cases} が成り立つ。
    •  \kappa_{\cyc}^{1-r}\phi をStickelberger元  \Xi_n(\psi) に作用させて変形し  \bmod{\frac{q_n}{r}} の合同式を作る
    •  n で逆極限をとると,Dirichlet 指標  \psi \omega^{-r} \phi^{-1} によってツイストされた一般化Bernoulli数  B_{r, \psi \omega^{-r}\phi^{-1}} との  \overline{\mathbb{Q}}_p 上の等式(Euler因子つき)が得られる(Bernoulli多項式の二項展開表示と von Staudt-Clausen の定理から従う)
    •  L(\eta, 1-r) = -\frac{B_{r, \eta}}{r} から  \eta = \psi \omega^{-r} \phi^{-1} として目的の補間性質の式が得られる!
  • 補間性質の式:

 \displaystyle \left(\kappa_{\cyc}^{1-r} \phi^{-1}\right)\left(L_p(\psi)\right) = \left( 1 - \frac{(\psi \omega^{-r}\phi^{-1}) (p)}{p^{1-r}} \right)L\left(\psi \omega^{-r} \phi^{-1}, 1-r\right)

  • 補足:
    •  \psi を導手  Np^e e = 0 または  e = 1) で  \psi(-1) = 1 なる原始的な Dirichlet 指標とする
    • 有限指標  \phi について:  \psi = \mathbf{1} のとき  r \neq 1 または  \phi \neq \mathbf{1} と仮定する

2/27:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)

  • あらまし:Coleman写像の理論に「円単数」を適用すると,p進L函数が構成できるらしい
    • Euler系による岩澤主予想(3.3.3)やガロワ変形の岩澤主予想につながるらしい
  • 環同型  \mathbb{Z}[\zeta_N] \otimes_{\mathbb{Z}} \mathbb{Z}_p \simeq \prod_{\mathfrak{p}\mid (p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} を係数に持つ形式的べき級数環  \prod_{\mathfrak{p}|(p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} [[ Z ]] を考えた。この形式的べき級数環に対する,ガロア群  {\rm Gal}(\mathbb{Q}(\zeta_{Np^{n+1}})/\mathbb{Q}) \simeq \Delta_N \times \Delta_p \times \Gamma_{{\rm \cyc}}\big/(\Gamma_{{\rm \cyc}})^{p^n} の作用を考えた
  •  G_{{\rm cyc}} := \Delta_p \times \Gamma_{{\rm cyc}} とする

2/28:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • しばらく道具の準備が続くので先が見えない・・・。
  • ノルム系、Coleman写像を定義した
    • ノルム系は、 \prod_{\mathfrak{p}|(p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} [ \zeta_{p^{n+1}} ] の単元の系  \mathbf{u} = (u_n)_{n\geqq 0}のこと。ノルム写像について逆極限をとって作る
    • Coleman写像は、ノルム系  \mathbf{u} から形式的べき級数  F_{\mathbf{u}}(Z) を作る写像にみえる

3/1:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • Coleman写像を構成した
  • Colemanべき級数  F_{\mathbf{u}}(Z) は,p進L函数  L_p(\psi) の構成にも関係するらしい

3/2:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • ノルム系とそのColemanべき級数の具体例について計算した

雑感

  • Stickelberger元を使ったp進L函数の構成がすごく面白かった。最初はまったくもってわけがわからず,なぜこんな元の計算をやっているのか理解ができなかった。しかし,実はStickelberger元の極限をとったものがp進L函数そのものだったのだ。Stickelberger元をmod pで計算していって極限をとると一般ベルヌーイ数との合同関係が現れて,L函数の負の整数値と結びつくのだ。このときは本当に感動した。この感動は今後も忘れずに覚えておきたい。
  • 一方で今週の後半はColeman写像のパートに入ったが,今度は本当にわからない。出てくる記号の意味がわからないし,何をやっているのかわからない。特に長いパートなので(20ページ程度)全容を掴むには一週間程度かかりそうである。とにかく歯を食いしばって進めるしかなさそうだ。
    •   \mathbb{Z}[\zeta_N]  p 上の素イデアルによる完備局所化の直積を係数環とする形式的べき級数  \prod_{\mathfrak{p}\mid (p)} \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N]}_{\mathfrak{p}} [[Z]] がやたらでてくる。これに  Z = \zeta_{p^{n+1}} を入れたときの単数群における逆極限の系を「ノルム系」というらしい。
    • 先の方を見てみると「ガウス和」と関係するらしい。Stickelbergerもガウス和と関係するらしいので,その辺が結びつくのだろうか
    • 加藤先生の「素数の歌はとんからり」で読んだ「円単数とlogの関係」の話も,このあたりのテーマと関係するのだろうか。最近ちょっとずつlogが出てきた。
  • 岩澤理論全体としてはそろそろ全容がつかめてきた感じがあるので,中間発表としてメインのブログの方で岩澤理論の記事を書きたいと思っている。というかそろそろ人に話したくてたまらなくなっている。乞うご期待。


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現在の進捗状況と目標ページ数の比較

近似曲線をつけてみた。笑

目標は 163 ページであるが,このペースであれば少なくとも 140 ページまでは到達できそうだ。
これであれば2つある岩澤主予想の証明の2つめまで終えることができるので,3月末までになんとか満足のいくところまでは達成できそうだ。