ものさんという方に教えていただいたのですが、ザギヤー「数論入門 ゼータ関数と2次体」という本に面白い定理が載っていたので紹介します。
- 作者: D.B.ザギヤー,片山孝次
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/08/02
- メディア: 単行本
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定理3(p.144):
を, である素数,
を の連分数展開とし,最小周期を とし, の広義の類数は 1 であるとする.
このとき, の類数は
に等しい.
例を計算すると
に対して
に対して
に対して
ほんまや!
連分数展開と2次体の類数が結びつくなんて不思議ですね。
ものさんによると,連分数展開は2次体の性質を調べる上で標準的な道具になっているそうです。
ザギエの本は,買って以来ずっと棚の中にあったのでした。ほかにも魅力的なトピックがたくさん載っているみたいなので,ちゃんと読んでみようかなと思いました。
ザギヤーの「ゼータ関数と2次体」を読んでいたら、p.147 に超かっこいい一文を見つけてテンションが上がっている。
— tsujimotter (@tsujimotter) 2017年12月2日
「われわれは \frac{1}{3}\sum_{i=1}^{r} n_i - r に絶対値記号をつけることにより定理の美しさを傷つけたくない.」