tsujimotterの下書きノート

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絶対ガロア群とガロア表現

難しい文章を読んでいるとたまに見るんですが、何やらけったいな名前だと思っていたのです。

が、実際のところはたいした話ではなかった。

方程式論とかで使う  K 上のガロア拡大としては、 K 上の最小多項式の根である代数的な元  \alpha を考えて  \alpha K に添加した拡大体  K' = K(\alpha) を考えますよね。すると、これは有限次拡大なので、ガロア群  {\rm Gal}(K'/K) も有限群となります。

で、ここからが絶対ガロア群の話ですが。 K' にさらに代数的な元を加えて新たに  K'' を作る。これをずっと繰り返していくと、いつかはどんな代数的な元を加えても拡大されなくなる。これが代数的閉包というやつで、 \overline{K} と表します。

もちろん、この代数的閉包に対してもガロア群は考えられるはずで、これを  {\rm Gal}(\overline{K}/K) としましょう。これが  K の絶対ガロア群です。ね、ぜんぜんたいしたこと無いでしょう。

これが面白いのは、先ほどの  K' を含む  K 上のすべての代数的な拡大体が、この  \overline{K} に含まれるのです。したがってガロア理論より、 {\rm Gal}(K'/K) は絶対ガロア群  {\rm Gal}(\overline{K}/K) の正規部分群  H の剰余群と同型になりますね。

さらにいうと、絶対ガロア群  {\rm Gal}(\overline{K}/K) GL(n, V) のような線形群に埋め込むことが出来るそうなのです。したがって、 K 上の拡大に対するガロア群は、すべて単純な行列の言葉でかけるということ。何やら便利そうな話ですね。こういうように、ガロア群を  GL(n, V) のようなわかりやすい群に埋め込むことを「ガロア表現」というようです。


あー、たったそれだけのことだったのか。これでだいぶ難しい文章の意味がとれそうでほっとしました。