tsujimotterの下書きノート

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平方剰余の個数は (p-1)/2 個である

 \bmod{p} の平方剰余の個数が  (p-1)/2 になること」について気になった。

群論を使うと、以下のように明快に示せる(ていると思う)のですが、もう少し初等的にも計算できそう(やり方は知らない)

主張

 p を素数とし、 G = (\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})^\times とする。
 \phi\colon G \to \{\pm 1\}, \; \overline{a} \mapsto (a/p) としたとき、 \# \newcommand{\Ker}{\operatorname{Ker}}\Ker\phi = (p-1)/2 である。

証明

 (ab/p) = (a/p)(b/p) より、 \phi は群準同型写像。よって、 \Ker\phi G の部分群。また、 \newcommand{\Im}{\operatorname{Im}}\Im\phi = \{\pm 1\}

群論のラグランジュの定理より  \#G = \#(G /\Ker\phi) \cdot \#\Ker\phi であるから、 \#(G /\Ker\phi) が分かればよい。

群の第1同型定理より  G/\Ker\phi \simeq \Im\phi = \{\pm 1\} であるから、  \#(G /\Ker\phi) = 2 である。

よって、 \# G = p-1 より、 \#\Ker\phi = (p-1)/2 である(証明終わり)

追記(2021.01.28)

しかし、ルジャンドル記号の準同型性を示すのに、原始根を使うわけなので、原始根定理が必要。やっぱり簡単ではないですね。

ルジャンドル記号を平方剰余からではなく、 a^{(p-1)/2} で定義する方法もあります。この場合は準同型性を示すのに原始根定理を回避することはできそうです。
行き先が  \pm 1 であることを示すのには、フェルマーの小定理を使えばよいので問題なさそう。
しかし、元々の平方剰余の意味合いはなくなるので、その関係性を示すのにオイラーの定理が必要で、これには原始根定理がやはり必要という話になるかと思います。