「存在性の証明」と「一意性の証明」が大事だという感覚がなんとなくわかってきました。この2つを保証すれば、一意に定まる数(や関数など)を考えることができるんですね。一意に定まると言うことは、これに「名前」をつけることができるのです。
たとえば群論における「元の位数」なんかがそうですね。
有限群 が与えられたときに、その有限群の1つの元を とする。この はべき乗していくと、いつかは必ず単位元 になります。
すなわち、任意の元 に対して、
を満たす整数 が「存在する」のです。
が になるような最小の数を考えると、その数 は「一意に」定まりますね。
「存在」して「一意に」定まるのですから、これには名前をつけてもよいでしょう。これを「 の位数」と呼ぶことにします。
これはあくまで一例で、ほかにもいくらでも考えられると思います。
私も最初は、なんでこんな当たり前の証明をしているんだろう、と思ったりもしたのですが、ちゃんと意味があるのですね。この辺がわかってくると、数学の本を読んでいて楽しくなるかも知れません。