tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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朝岩澤理論11:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第11週目。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第11週目(2017/4/1 〜 2017/4/7)

4/1:Euler系を用いた方法による証明(3.3.3)

  • Stickelbergerの定理
    • Stickelberger元をアーベル体の分数イデアルに作用させると単項イデアルになる。つまり、イデアル類群を零化する
    • この逆極限をとると、 x\in (X)_{\omega \psi^{-1}} L_p(\psi)\Lambda_\psi \cap \Lambda_{\psi} で消される

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  • 「重複度1予想」を仮定すると  (-) 版岩澤主予想が導ける
    • 以下、雑に照明の流れを追う
    • Ferrero-Washintonの定理( \mu = 0)から  X_{\omega \psi^{-1}} \Lambda_{\psi} (p) を割らない高さ1の素イデアルの積でかける
    • 構造定理により、線形写像  X_{\omega \psi^{-1}} \to \Lambda_{\psi}/\mathfrak{p} は有限な余核を持つ
    • Stickelbergerの定理により、p進L函数は \Lambda_{\psi}/\mathfrak{p} を零化する
    •  (L_p(\psi)) \subset {\rm char}X_{\omega \psi^{-1}} を得る
  • 「Greenberg予想」を仮定すると  (+) 版岩澤主予想が導ける
    • Greenberg予想( X は有限アーベル群)を仮定すると、 Xは擬零加群で有限アーベル群。
    • あとは4項完全列よりわかる
  • Stickelbergerすごいじゃないか!!!見直したぞ!!!

4/2:総実代数体のアーベル拡大の場合(3.4.1)

  • 前章は \mathbb{Q}上の岩澤主予想を考えたが、ここでは

総実代数体上の \zp拡大におけるp進L函数の構成と岩澤主予想を定式化した。

  • オイラー因子が p の上の素イデアル分かかっている点を除けばほぼ同じ
  • 指標での拡大と \zp拡大が共通部分を持たないことも条件

岩澤主予想を考えるためには指標をひねった部分を含んだ拡大を考える必要があって、それが定式化に影響している。指標をかけて考える必要

4/3:続きとCM体のアーベル拡大の場合(3.4.2)

  • 総実代数体の問題について:
    • Ferrero-Washinton の定理の類似は予想されている(p進L関数 \mu = 0)が未解決
    • Leopoldt予想は未解決なので、4項完全列はつかえない
    • IMCは「ヒルベルトモジュラー形式」を用いてMazur-Wilesの議論が使える。一方で、Euler系を用いた方法は知られていない(円単数に相当する単数が見つかっていない)
    • pの外不分岐なアーベル拡大の合成を  \tilde{F} として円分 \zp拡大の議論を  \tilde{F}/F についての議論に展開できる( F=\mathbb{Q} のときは円分 \zp拡大なので、拡張になっている)
      • p進L函数は \zp[\psi][[{\rm Gal}(\tilde{F}/F)]] の中に考えることができて、この集合から  \zp[\psi][[\Gamma_{\cyc, F}]] への全射がある
      •  \left(X_{\omega\psi^{-1}, \infty}^{\cyc}\right)_{\omega\psi^{-1}} の類似もある
  • CM体の場合
    • CM体は大きな問題がある
    • 総実でない Fの場合には、 G_Fの有限指標に対して、L函数の負の整数点の値が0になってしまう。
      • Gamma Factorの零点・極からわかる
    • したがって、円分 \zp拡大における非零なp進L函数が存在しない(やばい)
    • もし FがCM体を含むならば、円分 \zp拡大ではなく F \zp拡大すべての合成 \tilde{F}_\inftyにおいて、ある程度自然な岩澤理論を考えることも可能

4/4:

  • あとでかく

4/5:

  • あとでかく

4/6,4/7:(お休み)

  • 仕事で追い詰められていたのと,朝起きれなかったのでお休みしてしまいました。。。

雑感

  • あとで書く

朝岩澤理論10:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第10週目。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第10週目(2017/3/24 〜 2017/3/31)

3/24:WilesによるIMCの証明 (Step I)

  • 基本的な方針はRibetの定理の議論の一般化
  • ところどころにそのままではうまくいかない箇所が存在して、それを切り抜ける方法が鮮やかで面白い。Wilesさんすごい!
  • Eisenstein級数のp進族
  •  \mathbb{I} = \Lambda_{\cyc, \psi} 進モジュラー形式  \mathbb{G}_{\psi} を考える.
    •  A_0(\mathbb{G}_{\psi}) はp進L函数
    •  \kappa^{k-2}(\mathbb{G}_{\psi}) G^{(p)}_{k, \psi, \omega^{2-k}} が与えられる(これがp進Eisenstein級数?)
    •  G^(p)_{k, \psi, \omega^{2-k}} G_{k, \psi \omega^{2-k}} のq展開によっても与えられる。このような構成はp-安定化と呼ぶらしい。
    • p安定化では、p以外のすべてのHecke作用その固有多項式は変わらない
  • 方針
    • 解析的類数公式があるので, A_0(\mathbb{G}_{\psi}) \leq {\rm Tw}_{\kappa_{\cyc}}\left(\frac{\iota(L_p(\psi))}{2}\right) \in \Lambda_{\cyc, \psi} を含む高さ1の素イデアル  \mathfrak{J} \subset \Lambda_{\cyc, \psi} に対して,p進L函数の \mathfrak{J}に対する  \ord が, {\rm char} 以下であることを示せばよい(p進L函数の作るイデアルが特性イデアルに含まれる(Ribetと同じ状況))
    •  \mu不変量の消滅定理より,上記の  \mathfrak{J} はpの上にない素イデアル( \varpi成分はない)ので、 \Lambda_{\cyc,\psi}/\mathfrak{J}の標数は0としてよい
    •  m をp進L函数を  \mathfrak{J} が割り切る回数としておく
(StepI)

 \Lambda_{\cyc, \psi} 上の有限平坦な局所整数  \mathbb{I},Hecke固有カスプ形式  \mathbb{F} \mathfrak{J}の上にある  \mathfrak{I} の素イデアル  \tilde{\mathfrak{J}} が存在して,  \mathbb{F} \equiv \mathbb{G}_{\psi} \pmod{\tilde{\mathfrak{J}}^m}

  • Ribetの議論(Step1)を追って実行するが、ところどころやり方が異なる
    • Ribetでは類数の漸近評価を駆使して「定数項が単数となるモジュラー形式」を見つけたが、一般のNeben指標に対して、 \mathbb{I} 進モジュラー形式の空間の次元は導手に応じて大きくなってしまう。現実的に不可能
    • Wilesはこの議論を避けて「 A_0(\mathbb{G}) A_0(\mathbb{G}) と共通の零点を持たないモジュラー形式」をみつける議論で切り抜けた
    • Ribetではモジュラー形式の空間を「カスプ形式の空間」と「Eisenstein級数の空間」に分けたが、今回の場合は後者の階数が高いためそのままでは難しい
    • WilesはHecke作用素の作用も取り入れてうまく空間の階数の大きさを処理した。これによって正規化された \mathbb{I} 進カスプ形式  \mathbb{F} を得る(Step I終わり)

3/25:WilesによるIMCの証明 (Step II)〜(StepIV)(完成!)

あとで書く

3/26:Euler系の方法による証明(3.3.3)

  • 今日から,Euler系を使ったIMCの証明に入る。
  • Thaine のアイデアを経て Kolyvagin によって発見された
  • 岩澤基本完全列*1という大事な完全列について  \newcommand{\zp}{\mathbb{Z}_{p}}
    •  \displaystyle 0 \rightarrow \varprojlim_n (\mathfrak{r}_{K_n^{\cyc}})^\times \otimes_{\mathbb{Z}} \zp \hookrightarrow \varprojlim_{n} U_1 ( \mathfrak{r}_{K_n^{\cyc}} \otimes_{\mathbb{Z}} \zp) \rightarrow \mathfrak{X}_{K_\infty^{\cyc}} \twoheadrightarrow X_{K_\infty^{\cyc}} \rightarrow 0
    • 類体論により n 次について完全列が得られる。左の単射はLeopoldt予想により( K \mathbb{Q} または虚二次体の有限次アーベル拡大の場合正しい)
    • 4項が副有限群なのでMittag-Leffler条件が満たされ逆極限をとっても完全列になるらしい
  • (単数のなす)Euler系  \{ z_{n,r} \}_{(n, r) \in \mathbb{Z}_{\geq 1} \times \mathfrak{R}_{\psi}} について:
    • ノルム  {\rm Nr}_{K_{n+1}^{\cyc}(\mu_{r}) / K_{n}^{\cyc}(\mu_{r}) } をとると  z_{n+1, r} z_{n, r} となり,
    • ノルム  {\rm Nr}_{K_{n}^{\cyc}(\mu_{rl}) / K_{n}^{\cyc}(\mu_{r}) } をとると  z_{n, rl} ({\rm Frob}_l^{-1} - 1)z_{n, r} となる( l-オイラー因子がかかる)
    • ような系のことをEuler系という。
  • このような都合のよいものが存在すれば、IMCが証明できるらしい(明日示す)。存在することは全然自明ではないが、実はこのあいだのノルム系の例をちょっと変形するとEuler系が構成できるのだ!(面倒なので書かない)
  • Euler系は上の完全系列のたぶん一番左側の元になるので、Coleman写像でp進L函数を作ると、完全列の中でIMCが示せるのかなと勝手に考えている

3/27:Euler系の方法による証明(3.3.3)

  • Rubin と Greither によって示された定理3.80を仮定すると「(+) 版岩澤主予想」が導けることを確認した.
  • かなり複雑で込み入っていたので,図でまとめてみた

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3/28:Euler系の方法による証明(3.3.3)(つづき)

  • 定理3.80の証明のための道具を準備した
  • セッティングについて:
    •  r \in \mathfrak{R}_\psi の定義が疑問だったのだが,要するに  r = l_1 \cdots l_s と分解したときに「 l_i はすべて指数が1」で「 Np と互いに素な奇素数」を考えたいのだということがわかった.あとで,Kolyvagin作用素の定義で, r を素因数分解する
    • たしか,イントロの章で「Euler系では  \zeta_{p^{m+1}l_1 \cdots l_s} のような元を考えたい」みたいなことを言っていたが,こういうことだったのか.
    •  (CD_m) という仮定をおく「 r の勝手な素因数  l に対して, \mathbb{Q} の素イデアル  (l) は,拡大  K_m^{\cyc}(\mu_p)/\mathbb{Q} で完全分解する」
      •  \mathbb{Q} \subset  \mathbb{Q}(\mu_{p^{m+1}}) \subset K_{m}^{\cyc}(\mu_p) より(円分拡大の定義を思い出そう)  r が仮定を満たすなら,円分体  \mathbb{Q}(\mu_{p^{m+1}})/\mathbb{Q} (l) が完全分解するので,円分体の類体論より  l \equiv 1 \pmod{p^{m+1}} が成り立つ
  • Kolyvagin作用素とKolyvagin積分 {\rm res}\; \colon \; (K_n^{\cyc})^\times \big/ ( (K_n^{\cyc})^\times)^{p^{m+1}} \xrightarrow{{\sim}} (K_n^{\cyc}(\mu_r) )^\times \big/ (( (K_n^{\cyc}(\mu_r) )^\times)^{p^{m+1}})^{{\rm Gal}(K_n^{\cyc}(\mu_r)/K_n^{\cyc})} という同型がある( p>2 K_n^{\cyc} が総実代数体なので  \zeta_p \not\in K_n^{\cyc} となる.Inf-Res完全系列をみれば制限写像が同型になる)
    • Kolyvagin作用素  \mathbb{D}_r はガロア群を  r = l_1 \cdots l_s について分解したものを,変な感じで組み合わせて定義する.
      • 帰納法を使って上記の同型の右辺側の元であることがわかる(ガロア群によって固定される)
    • Kolyvagin積分は上記の元を同型の左側に引き戻す作用(というかその作用で得られた元)
      • 「積分」という感じはあまりしない

3/29:Euler系の方法による証明(3.3.3)(つづき)

  • 定理3.80の証明のための道具の準備段階だが,分からないゾーンに来てしまったかもしれない
  • Prop. 3.87(Euler系のノルム性質とKolyvagin作用素の性質から), Prop. 3.88(Chebotarevの密度定理から) が重要な役割を果たすらしい

3/30:Euler系の方法による証明(3.3.3)(つづき)

  • 岩澤加群の構造定理などを使って,Rubinの不等式を基本的な  \left(\prod_{i=1}^{s}g^{(i)} \right) \supset \left(p^a h\right) に帰着した
    • 左辺がイデアル類群  X_{K_{\infty}^{\cyc}} の特性イデアル(的なもの)
    • 右辺が Euler 系(大域的な単数群)の極限(p進L函数的なもの)の作る単項イデアル( p^a 倍)
  • この状況の下で,イデアル類群と大域的な単数群を  n 次の中間体の変動に関してコントロールする
    • それぞれのKer, Cokerを零化するイデアル  \mathcal{I}, \mathcal{J} を用意している?

3/31:Euler系を用いた方法による証明(3.3.3)

  • 今までの道具を使って Rubin の不等式  \left(\prod_{i=1}^{s} g^{(i)}\right) \supset \left(p^a h\right) を証明する流れをおった。ざっくり流れを説明
    • 第n次中間体での素イデアル  l の持ち上げ  \tilde{l} をガロア作用に配慮しつつ選ぶ。Chevotarev の密度定理により、このような持ち上げは無数に存在する
    • Euler系を使って,このような  l_i を数珠つなぎ的につなげていくと  g^{(1)}\cdots g^{(s)} p^a h を割り切ることを示せる
  • 長かったけど、これにて Euler系 を用いた方法による証明おわり。
  • 「ガロア作用に配慮した素イデアルの持ち上げ」を見つけるような複雑な箇所は「ガロア変形によるEuler系の理論」を導入することで気にしなくてよくなるらしい。これについては下巻8章で登場するらしい。

雑感

  • 前半はWilesによる「モジュラー的な手法を用いた岩澤主予想の証明」後半はRubinによる「Euler系を用いた岩澤主予想の証明」を追った。
    • (少し感想を書く)
  • これにて 141ページが終わりました。当初の目標では「3/31までに岩澤理論とその展望(上)の本文パート162ページを終わらせる」ということだったのですが、2月終了時点ごろに「やばい、終わらない」と気づきました。そのあたりから「ひとまず3月中に岩澤主予想の2つの手法(モジュラー・Euler系)を理解しよう」と目標を下方修正していました。岩澤理論の根幹は「岩澤類数公式」「p進L函数」「岩澤主予想」の3つなので、これらの3つについて主要な証明法を理解できれば、最初の3ヶ月の目標としては十分だと考えたからです。実際、この目標はなんとか3/31までに達成することができました。進捗の状況は以下の通り。

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  • 近似曲線を見る限り、1日1.84ページとなっていますから、(当初の目標ほどではないものの)なかなかのハイペースでここまでこれたと思います。途中、難しいパートに入ったり(Euler系とか)気持ちが落ち込んで、ペースにムラが出てきていますが、なんとかやってこれて良かったです。
  • 残りの20ページに関しては、ほかの基礎体における岩澤理論と下巻への展望で構成されています。これも4月のできるだけ早い時期に完了したいと考えています。
  • あとで続きを書く

*1:と呼んでいるひとがいた

j-函数に関するあれこれメモ

山本先生の「数論入門2(岩波講座現代数学への入門)」に、僕が知りたかった「楕円モジュラー関数」と「虚二次体」の話が、この上なくわかりやすく書いてあったので、ここにご報告します。

岩波講座 現代数学への入門〈5〉(9-10)数論入門1・2

岩波講座 現代数学への入門〈5〉(9-10)数論入門1・2

類数1の虚二次体におけるj函数の値は整数

「ラマヌジャン定数がほとんど整数である」に関する「虚二次体  \mathbb{Q}(\sqrt{-d}) の類数が1なら  j(\tau) は整数( \tau = \frac{1+\sqrt{-d}}{2})」の話について。

端折って説明すると:

  • 判別式  -d が等しく,対等な二つの2次無理数  \alpha, \beta はj関数値  j(\alpha), j(\beta) が等しい
  • 任意の二次無理数  \alpha は,判別式が等しい対等な二次無理数  \tilde{\alpha} が基本領域上に存在する。
  • 対等  \alpha \sim \beta という同値関係で,判別式  -d の2次の無理数の集合  A(-d) を割ると  A(-d)/{\sim} となるが,このすべての類は基本領域上の数によって代表される。
  • 判別式  -d の無理数の類のj関数値  j(\alpha_1), \; j(\alpha_2), \; \cdots, \; j(\alpha_{h}) を根に持つ類多項式  P_{-d}(X) = \left(X -  j(\alpha_1) \right) \left(X -  j(\alpha_2) \right) \cdots \left(X -  j(\alpha_h) \right) は整係数多項式となる。次数  h は判別式  -d の類数と同じ
  • もし類数1ならj関数値  j\left( \alpha \right) は整数
    • 2次無理数は一般に  j\left( \alpha \right) は「代数的整数  \mathbb{A}」かつ類数1なら  j\left( \alpha \right) \in \mathbb{Q} より  \mathbb{A} \cap  \mathbb{Q} =  \mathbb{Z} と考えても良い
  • 基本領域上の先ほどの無理数の類の中には必ず1つ  \alpha =\frac{1+\sqrt{-d}}{2} 型の無理数が存在するので、 j\left( \frac{1+\sqrt{-d}}{2} \right) は整数になるというわけですね。あーすっきりした。
  • 疑問: 類多項式ってなんで整係数多項式になるのだろう。つまり虚二次体の整数環に対するj関数の値はなぜ代数的整数なのか。

 K=\mathbb{Q}(\sqrt{-23}) のヒルベルト類体

前から疑問だった  K=\mathbb{Q}(\sqrt{-23}) のヒルベルト類体  H/K が、なぜ

 f(X)=X^3-X+1

の分解体になるのかもよくわかった。

 K のヒルベルト類体  H/K H = K\left( j \left(\frac{1+\sqrt{-d}}{2}\right) \right) で生成される。 j\left(\frac{1+\sqrt{-d}}{2}\right) の類多項式  P_{-23}(X) は以下のようになる:

 P_{-23}(X) = X^3 + 3491750X^2 - 5151296875X + 12771880859375

あれ  f(X) は?

一方で, f(X) の根  \alpha, \beta, \gamma \mathbb{Q} に添加すると6次拡大  H'/\mathbb{Q} ができる。

 f(X) の判別式

 D = (\alpha - \beta)^2(\beta - \gamma)^2(\gamma - \alpha)^2 = -23

より,

 (\alpha - \beta)(\beta - \gamma)(\gamma - \alpha) = \pm \sqrt{-23}

が得られるから, H'/\mathbb{Q} K/\mathbb{Q} を含む拡大である。

少し考えると, H'/K K の不分岐アーベル拡大であることがわかる。 H'/K 6/2 = 3 次拡大(すなわち,類数と一緒)より, H' は最大不分岐アーベル拡大(すなわち,ヒルベルト類体)である。ヒルベルト類体の一意性より  H = H' がわかる。

類多項式と類体論

類多項式って円分多項式にどこか似ているなぁと思った。

  • 円分多項式は「指数関数の特殊値の共役な組」を根に持つ整係数多項式で、類多項式は「楕円モジュラー関数の特殊値の共役な組」を根に持つ整係数多項式。
  • 類体論的には、どちらも大事なアーベル拡大を生成する。

ラマヌジャン定数との関連

 j(\tau) \in M_{12} \big/ S_{12} の形していて, S_{12} はカスプ形式なので, q展開の定数項が0,つまり,少なくとも1位以上の極を持つ.

 e^{\pi \sqrt{-d}} j(\tau) q 展開,

 j(\tau) = q^{-1} + 744 + 196884q + O(q^3)

 \tau = \frac{1+\sqrt{-d}}{2} を代入すると得られる。 e^{\pi \sqrt{-d}} q^{-1} に対応しているので,この係数が  1 になるように正規化すると,自然と 744 がでてくる。これが 744 の秘密。

朝岩澤理論9:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第9週目。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第9週目(2017/3/17 〜 2017/3/23)

3/17:モジュラー的な岩澤手予想の証明()(つづき)

  • Ribet の定理の証明について概略を学んだ(Mazur-Wilesの証明はこの一般化)
  • ほええ!こんなところで鳩ノ巣原理を使うのか!と感動しました(後述)

(Ribetの定理)
 1< i < p-1 なる奇数  i に対して

 p\mid L(\omega^{i-1}, -1) \;\; \Longrightarrow \;\; p\mid \#{\rm Cl}(\mathbb{Q}(\mu_p))^{\omega^i}

3/18~3/22:Ribetの定理の証明

  • まとめをしばらくサボってしまったので,一気にまとめる.
  • 証明の流れは大きく4つのステップに分かれる
    • (Step1)は保型形式の話,(Step2)はRibetの補題.ここまでは割となんとかついていける. (Step3)(Step4)は群スキームに関する知識を仮定していて思いっきり難しくなる.最後は不分岐類体論でイデアル類群と結びつける
(Step1)

 \varpi \mid L(\omega^{i-1}, -1) のとき,正規化された固有カスプ形式  f \in S_2(p, \omega^{i-1}; \mathcal{O}_{\mathcal{K}}) で,すべての  l\neq p なる素数で  a_l(f) \equiv 1+l\omega^{i-1}(l) \pmod{\varpi} が成り立つものが存在する

  • アイゼンシュタイン級数のq展開  G_{k,\eta} = \frac{L(\eta, 1-k)}{2} + \sum_{n=1}^{\infty}\sigma_{k-1, \eta}(n)q^n に対して,  k = 2,  M=p,  \eta = \omega^{i-1} を考える
    • 素数  l に対する係数は  a_l(G_{2, \omega^{i-1}}) = 1 + l\omega^{i-1}(l) が成り立つので( l の約数は  1, l の2つだけ)目的のフーリエ係数は得られた.しかし, G_{2, \omega^{i-1}}正規化された固有カスプ形式ではない
  • 以下, \bmod{\varpi} において  G_{2, \omega^{i-1}} に合同な固有カスプ形式を探す.
  •  1\leq a, b \neq p-1 かつ  a+b \equiv i-1 \pmod{p-1} なる  (a,b) g = G_{1,\omega^a}G_{1,\omega^b} なるモジュラー形式で,q展開の定数項  a_0(g) がp進単数  \in \mathcal{O}_{\mathcal{K}}^{\times} なるものが存在する(ここで鳩ノ巣原理を使う)
    •  G_{1,\omega^a}G_{1,\omega^b} の定数項は  \frac{L(\omega^a, 0)L(\omega^b, 0)}{4} である.
    • 類数公式により  \prod L(\omega^j, 0) \#{\rm Cl}(\mathbb{Q}(\zeta_p)) を用いて上から評価される
    •  {\rm ord}_p\#{\rm Cl}(\mathbb{Q}(\zeta_p)) の漸近挙動の評価より  p > 19 ならば  {\rm ord}_p(\bullet) < \frac{p-1}{4}
    • 鳩ノ巣原理より, \frac{p-1}{4} 個の巣の中に,それ以上の  (a, b) の組が入るので(?)・・・該当の  (a,b) の組が少なくとも1つ存在する?
  • 以上の  g を使って  f' = G_{2,\omega^{i-1}} - \frac{L(\omega^{i-1}, -1)}{2} \frac{g}{a_0(g)} を作ると,これは  a_0(f') = 0 となる(準カスプ形式という)
  • さらに, \varpi \mid L(\omega^{i-1}, -1) の仮定より  f' \equiv G_{2, \omega^{i-1}} \pmod{\varpi}
  •  f' のままでは固有カスプ形式ではないので(現在はただの準カスプ形式),以下の補題を使い  \bmod{\varpi}が等しいような固有カスプ形式 f''を作る
    • 準カスプ形式の空間  M を考えて,ヘッケ作用素  T を考える
    • 一般論により, M に作用する線形作用素の族  T が, M/\varpi M 上に引き起こす線形作用素  \overline{T} の同時固有形式  \overline{v} \in M/\varpi M が与えられたとする.このとき, \tilde{v} \equiv \overline{v} \pmod{\varpi} なる  T に関する同時固有形式  \tilde{v} \in M が存在する.
    •  v = f' とすると, \overline{v}\bmod{\varpi} は明らかに  \overline{T} の同時固有形式である.よって上記の一般論を適用することにより, T同時固有形式  f'' = \tilde{v} \in M を得る.
    • こうしてできた  f'' \bmod{\varpi} G_{2,\omega^{i-1}} と等しくなる(  f'' \equiv f' \equiv G_{2, \omega^{i-1}} \pmod{\varpi}
    • さらに, M = S_2 \oplus E_2 である( S_2 はカスプ形式の空間, E_2 はアイゼンシュタイン級数の空間).固有形式はどちらかに属する
    • ここで  E_2 の元のq展開と固有値はよくわかっていて,固有値は  f'' と異なる.したがって, f''\in S_2 である.すなわち, f''カスプ形式
  • 以上により, f'' \equiv f' \equiv G_{2, \omega^{i-1}} \pmod{\varpi} を満たす固有カスプ形式  f'' が得られた.
  •  a_1(G_{2, \omega^{i-1}}) = 1 であるから, a_1(f'') \in 1 + \varpi \mathcal{O}_{\mathcal{K}} \subset \mathcal{O}_{\mathcal{K}}^{\times} である(p進単数).
  • よって正規化  f = \frac{1}{a_1(f'')}f'' に対しても, f\in S_2 が成り立つ(この数で割っても, \bmod{\varpi} でのフーリエ係数は変わらない).
  • 以上より,正規化された固有カスプ形式  f で, l\neq p なる素数で  a_l(f) \equiv 1+l\omega^{i-1}(l) \pmod{\varpi} が成り立つものが得られた.証明終わり
(Step2)

(Step1)で得られた固有カスプ形式  f に付随した  \mathbb{Q} の絶対ガロワ群  G_{\mathbb{Q}} のp進ガロワ表現  \rho_f の表現空間を  V_f \simeq \mathcal{K}^{\oplus 2} とする.このとき, G_\mathbb{Q} 安定な  \mathcal{O}_\mathcal{K} 格子  T \subset (V_f)^{*} が存在して, T/\varpi T G_\mathbb{Q} 加群として

 0 \rightarrow (\mathcal{O}_\mathcal{K}/(\varpi))(\mathbf{1}) \rightarrow T/\varpi T \rightarrow (\mathcal{O}_\mathcal{K}/(\varpi))(\omega^{-i}) \rightarrow 0 \tag{3.49}

なる拡大を持つ. \eta \colon G_\mathbb{Q} \rightarrow (\mathcal{O}_{\mathcal{K}}/(\varpi))^\times に対して  (\mathcal{O}_{\mathcal{K}}/(\varpi))(\eta) \eta から定まる  G_{\mathbb{Q}} の一次元表現を表す.

ある  G_\mathbb{Q} 安定な  \mathcal{O}_\mathcal{K} 格子  T \subset (V_f)^{*} が存在して, T/\varpi T (3.49) 型の拡大を持ち, (3.49) \mathcal{O}_{\mathcal{K}}[G_\mathbb{Q}] 加群の完全列として分裂しない.

あとでまとめる

(Step3)

(Step2b) で得られた  \mathcal{O}_{\mathcal{K}} 格子は  T \subset (V_f)^{*} に対して, (3.49) G_{\mathbb{Q}_p(\zeta_p)} \subset G_\mathbb{Q} 加群の完全系列として分裂する.

あとでまとめる

(Step4)

(Step2b) で得られた  \mathcal{O}_{\mathcal{K}} 格子を  \bmod{\varpi} した拡大  (3.49) が定めるコホモロジー類によって  {\rm Cl}(\mathbb{Q}(\zeta_p))[p]^{\omega^i} の中に非自明な元が定まる.

あとでまとめる

3/23:Wilesによるモジュラー形式を用いた方法

  • Wilesの方法は,Ribetの方法の一般化の方向性
    • (包含の図)
  • 肥田理論を用いる
    •  \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}}\Lambda_{\cyc} 上有限平坦な局所整数  \mathbb{I} 上のp進モジュラー形式の理論
    • p進L函数を割る \Lambda_\cycの高さ1の素イデアル \mathfrak{J}ごとに局所化して考える
  • 肥田変形の基礎事項
    • 保型形式をp進族(たくさんの保型形式をまとめて扱ったもの?)というものを考えるらしい
    • レベル Np^\infty \mathbb{I} 進モジュラー形式の空間  M_{Np^{\infty}} とそれに付随したガロワ変形を考える
    •  \mathbb{F} \in M_{Np^{\infty}} (ぜんぶ白抜き文字で表される)は自然なq展開  \mathbb{F} = \sum_{n=0}^{\infty}A_n(\mathbb{F})q^n をもつ.ただし, A_n(\mathbb{F})\in \mathbb{I}
    • 有限指標 \kappa \colon \mathbb{I} \to \overline{\mathbb{Q}}_p に対して,特殊化  \kappa(\mathbb{F}) = \sum_{n=0}^{\infty}\kappa(A_n(\mathbb{F}))q^n は保型形式  f_k \in M_k(\Gamma_0(Np^*), \psi_{\mathbb{F}}\omega^{2-k}\phi; \kappa(\mathbb{I}))のq展開と対応する.
    • たくさんの保型形式をまとめた  \mathbb{F} を考えて,そのq展開の係数に指標を適用すると一個の保型形式がぼろんと取り出せるイメージ
    • 通常のモジュラー形式と同様にHecke作用素  \mathbb{T} も定まる
    •  \mathbb{I} の商体  \mathbb{K} を考えて, \mathbb{F} に付随する2次元ガロワ表現  \rho_{\mathbb{F}} \colon G_\mathbb{Q} \to GL_2(\mathbb{K}) が存在する.フロベニウスのトレースが係数に対応する.行列式がNeben指標といろんな指標の合成( G_\mathbb{Q} \to \mathbb{I})で定まる.

雑感

  • 念願だったエルブラン・リベの定理のRibetのほうの証明の指針を眺めることができた.
  • そして,思いっきり難しいこともわかった.
  • ただ,具体的にどういった道具立てが必要で,それがなぜ必要なのかがわかるのは今後の勉強に大いに役立つと思う.
  • Ribetの定理は,今後の岩澤主予想の証明のミニチュアケースになっているようなので,しっかり理解して次に備えたい.

朝岩澤理論8:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第8週目。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第8週目(2017/3/10 〜 2017/3/16)

3/10:イデアル類群の円分岩澤主予想(3.3.1)

  •  (+) 版岩澤主予想を定式化した  \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}} \newcommand{\cl}{{\rm Cl}} \newcommand{\qp}{{\mathbb{Q}_p}} \newcommand{\zp}{{\mathbb{Z}_p}} \newcommand{\char}{{\rm char}}

 \char_{\Lambda_{\cyc, \psi}}\left( (\mathfrak{X}_{K_\infty^{\cyc}})_{\psi} \right)^{\bullet} \otimes \kappa_{\cyc} = \left( L_p(\psi) \right) \;\;\;\;\;\;\;\; (\psi \neq \mathbf{1})

  • イデアル類群の円分岩澤主予想の証明のための二つの原理
    • (A) Kummer 双対性:  (+) 版岩澤主予想と  (-) 版岩澤主予想の同値性を導く原理
    • (B) 解析的類数公式:イデアル類群の円分岩澤主予想の等式のうち,どちらか片方の包含関係を  {\rm Gal}\left( \mathbb{Q}(\mu_p)/\mathbb{Q} \right) のすべての偶指標  \psi で証明すれば,自動的に等式が成立することを保証する原理
      •  {\rm char}(X) \subset (L_p(\psi))  {\rm char}(X) \supset (L_p(\psi)) のどちらか一方を示せばよい

3/11:Kummer双対性の原理

  • (A) Kummer双対性の証明の前半。Kummer理論を使って、 \Lambda_{\cyc, \psi} としての以下の同型を示した:

 (\mathfrak{X}_{K_\infty^{\cyc}}) \simeq {\rm Hom}_{\zp}\left({\rm Cl}(K_\infty^{\cyc})[p^{\infty}]^{\omega \psi^{-1}}, \qp/\zp  \right) \otimes \kappa_{\cyc} \tag{1}

  • 方針:
    • Kummer 理論を使って  p^{m} 次の巡回拡大がベキ根を使って表せる
    • 巡回拡大が  p の外不分岐な最大アーベル拡大  M_{\infty}^{\cyc} (p上は完全分岐)と一致することを示すために,局所類体論を使う;
      •  p と素なイデアル  \mathfrak{l}(pの外)を使って  \mathfrak{l} による  K_n^{\cyc} の局所化  K_{n, \mathfrak{l}}^{\cyc} を考える
      •  K_{n, \mathfrak{l}}^{\cyc}(\sqrt[p^n]{x}) K_{n, \mathfrak{l}}^{\cyc} 上不分岐であるための必要条件がわかる(pの外不分岐)

3/12:Kummer双対性の原理(つづき)

  • (A) Kummer双対性の証明の後半。今日は随伴加群  {\rm Ad}(M) を定義した( ^{{\lor}} はポントリャーギン双対):

 \displaystyle {\rm Ad}(M) := \left( \varinjlim_{\alpha \in A} M\big/I_\alpha M \right)^{{\lor}}

  • 随伴加群を経由して,以下の擬同型を示した:

 {\rm Hom}_{\zp}\left({\rm Cl}(K_\infty^{\cyc})[p^{\infty}]^{\omega \psi^{-1}}, \qp/\zp  \right)^{\bullet} \sim \left( X_{K_\infty^{\cyc}} \right)_{\omega \psi^{-1}} \tag{2}

  • 流れ:
    •  n に関して,Cokerの位数が有界な単射  Y_{K_\infty^{\cyc}} \big/ \left(\frac{\omega_n}{\omega_{n_0}}\right) Y_{K_\infty^{\cyc}}  \hookrightarrow {\rm Cl}(K_n^{\cyc})[p^\infty] の族がある
    • 随伴加群の定義を  \left\{ I_\alpha \right\}_{\alpha \in A} として  \left\{ \left(\frac{\omega_n}{\omega_{n_0}}\right) \right\}_{n>n_0} をとることで適用すると  {\rm Ad}\left((Y_{K_\infty^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}} \right) \sim {\rm Hom}\left( \cl(K_{\infty}^{\cyc})[p^{\infty}]^{\omega\psi^{-1}}, \qp/\zp \right)
    •  {\rm Ad}(M)^{\bullet} \sim M より  {\rm Ad}\left((Y_{K_\infty^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}} \right)^{\bullet} \sim (Y_{K_\infty^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}}
    • さらに  (Y_{K_\infty^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}} \sim (X_{K_\infty^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}} となって目的の擬同型が得られる
  • (A) Kummer双対性 の証明:
    • (Prop.3.70 より)  {\rm Hom}_{\zp}\left({\rm Cl}(K_\infty^{\cyc})[p^{\infty}]^{\omega \psi^{-1}}, \qp/\zp  \right)^{\bullet} \sim \left( X_{K_\infty^{\cyc}} \right)_{\omega \psi^{-1}} \tag{2}
    • (Prop.3.67 より)  (\mathfrak{X}_{K_\infty^{\cyc}}) \simeq {\rm Hom}_{\zp}\left({\rm Cl}(K_\infty^{\cyc})[p^{\infty}]^{\omega \psi^{-1}}, \qp/\zp  \right) \otimes \kappa_{\cyc} \tag{1}
    • よって擬同型が得られる:  \left( (\mathfrak{X}_{K_\infty^{\cyc}}) \right)^{\bullet} \otimes \kappa_{\cyc} \sim \left( X_{K_\infty^{\cyc}} \right)_{\omega \psi^{-1}}
    • 擬同型は特性イデアルを保存するから以下が得られる: \char_{\Lambda_{\cyc, \psi}}\left( (\mathfrak{X}_{K_\infty^{\cyc}}) \right)^{\bullet} \otimes \kappa_{\cyc}  = \char_{\Lambda_{\cyc, \psi}} \left( X_{K_\infty^{\cyc}} \right)_{\omega \psi^{-1}}

3/13:(B) 解析的類数公式の原理

  • (B) 解析的類数公式の原理:
    •  \sum_{\psi} \lambda\left( (X_{K_{\infty}^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}} \right) = \sum_{\psi} \lambda\left( L_p(\psi) \right)
    •  \sum_{\psi} \mu\left( (X_{K_{\infty}^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}} \right) = \sum_{\psi} \mu\left( L_p(\psi) \right)
    • 両者の岩澤不変量  \lambda, \mu が一致するので,特性イデアルの片方の包含関係が(すべての \psiに対して)いえてしまえば,自動的に逆の包含関係も成り立つ.
  • Dedekindゼータ函数の類数公式について復習した
    •  s = 1 での留数と類数が結び付く
    • Dedekindゼータの関数等式により  s = 0 の値が結び付く(したがって  s = 0 の零点の位数を見ればよい)
    • また,アーベル体  K_{n}^{\cyc} のDedekindゼータは  \zeta(K_{n}^{\cyc}, s) = \prod_{\eta} L(\eta, s) でかける.
    •  K_{n}^{\cyc}の最大総実部分体 K_{n}^{\cyc, +}の相対類数が,それぞれのDedekindゼータの s=0 の値の比でかける

3/14:(B) 解析的類数公式の原理(つづき)

  • 二種類の岩澤加群  \newcommand{\alg}{{\rm alg}}\newcommand{\anal}{{\rm anal}} X^{\alg}, X^{\anal} を定義して,解析的類数公式の原理を示す
  •  X^{\alg} := (X_{K_\infty^{\cyc}} \otimes_{\zp} \mathcal{O})^{-}
    •  X_{K_\infty^{\cyc}} \omega\psi^{-1} 部分による直和分解によってあらわすことができる
  •  X^{\anal} := \Lambda_{\cyc, \mathcal{O}}\big/ \left( \prod_{\psi \in \mathfrak{C}} L_p(\psi) \right)
    • 岩澤代数の元  L_p(\psi)(多項式) で岩澤代数を割っているので,有限生成岩澤加群となる
    • CRT より直和分解して岩澤基本加群の形にできる
  • したがって,岩澤不変量の間に以下の等式が得られる
    •  \lambda(X^{\alg}) = \sum_{\psi \in \mathfrak{C}} \lambda\left((X_{K_\infty^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}}\right)
    •  \mu(X^{\alg}) = \sum_{\psi \in \mathfrak{C}} \mu\left((X_{K_\infty^{\cyc}})_{\omega\psi^{-1}}\right)
    •  \lambda(X^{\anal}) = \sum_{\psi \in \mathfrak{C}} \lambda\left( L_p(\psi) \right)
    •  \mu(X^{\anal}) = \sum_{\psi \in \mathfrak{C}} \mu\left( L_p(\psi) \right)
  • 以上から  \lambda(X^{\alg}) = \lambda(X^{\anal}) \mu(X^{\alg}) = \mu(X^{\anal}) をいえばよい
  • 岩澤加群  M の一般的な類数公式  \#\left(M\big/(\omega_n(T)/f(T))M\right) = q^{\lambda(M)en+ \mu(M) p^n + \nu} を思い出すと,
    •   \#\left(X^{\alg}\big/(\omega_n(T)/\omega_{n_0}(T))X^{\alg}\right) = q^{\lambda(X^{\alg})en+ \mu(X^{\alg}) p^n + \nu}
    •   \#\left(X^{\anal}\big/(\omega_n(T)/\omega_{n_0}(T))X^{\anal}\right) = q^{\lambda(X^{\anal})en+ \mu(X^{\anal}) p^n + \nu'}
  • の比が十分大きい  n \geqq n_0 に関して有界であることを示せばよい( \lambda, \mu が異なれば,上記の比は発散してしまうから)
    • (q, e 等は岩澤代数のパラメータで加群に関係ない)
    • こんなところで岩澤類数公式が使えるのか!
  • あとは,相対類数  \#\left(\cl(K_n^{\cyc}[p^{\infty}])\right)\big/ \#\left(\cl(K_n^{\cyc, +}[p^{\infty}])\right) を仲立ちとして類数公式でこの二つを結び付けるのが次で展開する基本方針である.

全然関係ないけど,補題2.4.7で \mathcal{O} \mathcal{O}' に取り換えて議論していい根拠がわかった. \mathcal{O}' で補題が成り立てば, \mathcal{O} で補題が成り立つ(逆もしかり),すなわち同値になっているんですね.

3/15:(B) 解析的類数公式の原理(つづき)

  • あとで書く

3/16:モジュラー的な岩澤手予想の証明()

  • レベルが爆発的に上がりそうな予感.

雑感

  • 岩澤主予想の節に入ってからテンションが上がってきた!!!たのしい!!!

朝岩澤理論7:岩澤理論とその展望(上)

tsujimotter-sub.hatenablog.com

の第7週目(なかなかしんどい週だった)。


ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。

第7週目(2017/3/3 〜 3/9)

3/3:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • (あとで全体像を理解してから書いているメモ) \newcommand{\zp}{\mathbb{Z}_p}  \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}}
  •  \prod \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N ]}_\mathfrak{p} 加群  \prod \widehat{\mathbb{Z}[\zeta_N ]}_\mathfrak{p} [[Z]] の自己準同型写像  D F(Z) \mapsto (1+Z)\frac{d}{dZ}F(Z) で定義した。
    • これはあとでわかるが単なる微分を考えている。 Z = e^z - 1 を代入して変数変換すると, D \mapsto \frac{d}{dz} となる
  •  \left( 1 - \frac{\varphi}{p}\right) \circ \log によって定まる  \zp[ \Delta_N ] の完全列を示した

3/4:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

あとでまとめる

3/5:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

あとでまとめる

3/6:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • ノルム系から  \zp[\Delta_N][[G_{\cyc}]] への写像(Coleman写像の合成写像)の完全系列を作った(Thm3.54)。
  • 以上の写像の像の元として Stickelberger 元を定義した
  • Stickelberger元に指標を適用して,ガウス和をかけたものを考えた
  • 次回からp進L函数の別構成がはじまるらしい

3/7:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • ようやくp進L函数の構成ができた
  •  \displaystyle L_p(\psi) = \psi \omega^{-1}\left(\frac{1}{hoge}\iota\left(D(\Xi(a))\right)\right)
  •  \displaystyle \Xi(a) \cdot (1+Z) = \left( 1-\frac{\varphi}{p} \right) (G_{\mathbf{u}(a)}(Z))
  •  \Xi(a) \cdot(1+Z) に関係するのは補題3.55か
  •  \mathbf{u}(a) はノルム系(補題3.46で具体例を与えたもの)

3/8:Coleman写像によるp進L函数の構成(3.2.4)(つづき)

  • これまでの構成の手順をまとめた  \newcommand{\cyc}{{\rm cyc}} \newcommand{\zp}{\mathbb{Z}_{p}}
    • (A) 円単数のノルム系   \mathbf{u} \; \Longrightarrow^{(1)} \; Colemanべき級数  F_{\mathbf{u}}(Z) \; \Longrightarrow^{(2)} \;  \zp[\Delta_N][[\Gamma_{\cyc}]] の元
    • (B)  F_{\mathbf{u}}(Z) \big|_{Z = e^{z} - 1} の対数微分が  L(\eta, s) の特殊値の母函数  f_{\eta}(z) と「ほぼ等しい」
  •  (A)(1) の箇所を省いてもp進L函数の新しい構成はできるが、 (A)(1) のステップを挟むことで、p進L函数と円単数が結びつき、岩澤主予想の円単数のEuler系を用いた証明に使えるらしい。
  • わからない点:
    • 「対数微分」「母函数」と言っている部分はどこのことを指しているのだろう
    •  F(Z)\big|_{Z=e^z - 1} の対数微分が  L(\eta, s) の特殊値の母函数  f_{\eta}(z) と「ほぼ等しい」 F(Z) が 3.2.2 項ですでに直接構成されている』らしいのだが、それはいったいどの話であろうか
    • あ、わかったかも!!!
  • Ferrero-Washingtonの定理( L_p(\psi) \mu 不変量は自明)とLeopoldtの公式( s=1 のp進L函数の特殊値は、p進対数関数によってかける)に触れた

3/9:代数的側面と解析的側面の関係(岩澤主予想)

  • 円分岩澤主予想の定式化を行った.
  • ついに岩澤主予想だ!!!うおおおおお!!!
  • 円分岩澤主予想の定式化:
    • Dirichlet指標を  \mathbb{Q} の有限次アーベル拡大のガロワ群の指標とする.
    •  K_{\eta} \eta に対応する体とし, K_{\eta, \infty}^{\cyc} K_\eta の円分  \zp 拡大とする.
    • 二種類の不分岐拡大を定義:
      •  L_{\eta, \infty}^{\cyc} を「到る所不分岐かつアーベルな最大pro- p拡大」とする
      •  M_{\eta, \infty}^{\cyc} を「 p の外で不分岐かつアーベルな最大pro- p拡大」とする(こっちのほうがでかい拡大)
    • 対応するガロア群を定義する:
      •  X_{K_{\eta, \infty}^{\cyc}} = {\rm Gal}(L_{\eta, \infty}^{\cyc}/K_{\eta, \infty}^{\cyc}) (こっちはねじれ  \Lambda_{\cyc} 加群)
      •  \mathfrak{X}_{K_{\eta, \infty}^{\cyc}} = {\rm Gal}(M_{\eta, \infty}^{\cyc}/K_{\eta, \infty}^{\cyc}) (こっちはねじれ  \Lambda_{\cyc} 加群ではない)
    •  (-) 版岩澤主予想
      •  \psi を導手が  Np^e \psi(-1) = 1 であるDirichlet指標とすると以下が成り立つ

 {\rm char}_{\Lambda_{\cyc, \psi}}\left(X_{K_{\omega \psi^{-1}, \infty}^{\cyc}}\right)_{\omega \psi^{-1}} = \left(L_p(\psi) \right) \;\;\;\;\;\;\;\; (\psi \neq \mathbf{1})

    •  (+) 版は次回( \mathfrak{X}_{K_{\eta, \infty}^{\cyc}} がねじれ加群とは限らないので,ポントリャーギン双対をとらないといけない?)

雑感

  • ようやくColeman写像によるp進L函数の構成がおわった。正確にいうと「終わらせた」という感じに近くて、証明の流れはほとんどよくわかっていない。
  • 記号が難しくて飲み込みづらかったのと、構成までの過程が長くて全体像をつかむのが難しかった。全体像は最後の説明で、多少はわかった気がしないでもないので、もう一度 3.2.4 の最初から見直した方が良さそう。。。

雑感2(3/9)

  • と思っていたら急にわかってきたのでまとめなおしてみる!
    •  L(\eta, s) の特殊値(すなわち,ベルヌーイ数  B_{r, \eta})の母函数  f_{\eta}(z) とは 3.2.2 で次のように定義されていた; \displaystyle f_{\eta}(z) := \sum_{i=1}^{N}\frac{\eta(i) ze^{iz}}{e^{Nz} - 1} = \sum_{r=0}^{\infty} B_{r, \eta}\frac{z^r}{r!}
      • ここから  B_{r, \eta} を取り出すには, r 回微分して  z = 0 をとればいい。
    • さて,ここで  G_{\mathbf{u}}(Z) = \log(F_{\mathbf{u}}(Z) ) と定義されており(対数をとっただけ),この  G D r-1 回作用させる。 D Z = e^z - 1 とすると実質的に  \frac{d}{dz} と同じになる。
      •  N = 1 のとき  \displaystyle F_{\mathbf{u}}(Z) = \frac{(1+Z)^a - 1}{(1+Z) - 1} であったことを思い出そう( Z のわかりやすい有理函数の形になっている)
      • これがコールマン写像であることを確認するには, F_{\mathbf{u}}(Z) Z =\zeta_{p^{n+1}} - 1 を代入してみれば良い。
      •  \displaystyle F_{\mathbf{u}}(\zeta_{p^{n+1}} - 1) = \frac{(1+(\zeta_{p^{n+1}} - 1))^a - 1}{(1+(\zeta_{p^{n+1}} - 1)) - 1} = \frac{\zeta^a_{p^{n+1}} -1}{\zeta_{p^{n+1}} -1} = u_n(a) となって,ノルム系の数列が取り出せる(すなわち, F_{\mathbf{u}}(Z) (u_n(a))_{n\geqq 0} の母函数になっていたのだ)。
    • ここで, L_p(\psi) = \psi\omega^{-1}\left( \frac{1}{(1-\langle a \rangle \psi(a)\gamma(a)^{-1})} \iota \left(D (\Xi(a)) \right) \right) に数論的指標  \kappa^{1-r}\phi を適用して計算していく
    •  Z = e^z - 1 とすると, f_{\eta}(z) にそっくりな項を  \frac{d}{dz} r-1 回微分する形の式がでてくる。
    •  r-1 回微分して  z = 0 とすると、 B_{r-1, \eta} が飛び出す!という流れだ


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現在の進捗状況と目標ページ数の比較

とにかく止めないで先に進むことを念頭に入れて進めたので、今回の節のペースは若干早かった。おかげで少しペースを取り戻しつつある。