tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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備忘録

Magmaの実行メモ

このページにスクリプトを入力して実行できる: http://magma.maths.usyd.edu.au/calc 例: 超楕円曲線のヤコビアン を計算し、そのランクを計算する。 実行例のコマンド: R<w>:=PolynomialRing(Rationals()); C:=HyperellipticCurve((-3*w^3+2*w^2-6*w+4)^2-8</w>…

保型形式に対する「作用」についてのメモ書き

任意の に対して、 がを満たすというのが、保型性の定義なわけです。 変数 に対する の作用を、一次分数変換で定めます。このような変数の変化に対して、 がどのように振る舞うかというと、実は保型因子 が飛び出てくるんだよ。僕はそういう理解だった。 し…

確率と測度(自分用メモ)

「確率ってこういうことなんかな」というのが分かってきた(気がする)ので、メモがてらツイート。標本空間を考えて、その部分集合(事象)に[0,1]の値を割り当てたい。このとき、部分集合の和がちゃんと割り当てる値の和に等しくなるようにしたい。 そんな…

微分多様体のイメージ(※あくまで私個人の持つイメージです)

微分多様体のイメージ、まっさらな位相空間にユークリッド空間 の一部がペタペタ貼り付いたもの。この貼り付いた部分を「ペタペタ」と呼ぼう。このペタペタの座標を使って、多様体の各点の座標を定められる。ただし、2つの「ペタペタ」が重なっているときは…

加藤和也先生の講演アブスト(動画付き)

日本数学会の70周年の折に、加藤和也先生が記念講演をされたそうで、以前からその内容が気になっていました。講演のアブストラクトは読んだことがありました。 http://www.mathsoc.jp/pamph/history/70th2016/abstract/70-kato.pdfその講演動画が、日本数学…

円分多項式の既約性とカタラン予想

カタラン予想の議論でというのがありました。 tsujimotter.hatenablog.com これって実は円分多項式の既約性判定の議論とまったく同じだということに気づきました。 既約性判定の議論を思い出すと としてとなります。ここで の係数は 次の係数が で割り切れて…

ザリスキー接空間

tsujimotter.hatenablog.comこの記事でザリスキー接空間を扱ったのだが、そのときは余接空間 の双対空間として定義した。もう少し直接的に接空間をできるらしいと聞いたので、考えてみたいと思う。環準同型から始めたいと思う。 として、点 における局所環 …

複素関数の正則性とコーシー・リーマンの関係式

前回の記事とも繋がるのですが、元々は複素関数の正則性の定義について考えていたのでした。すなわち、複素関数 において、が存在するとき、 は で微分可能(正則)であるといい、この極限値を と表す。 での極限は、前回注意したように任意の方法で近づけた…

片側極限と極限

複素関数 の微分可能性(正則性)の定義はなる極限が存在することである。ここで、極限が存在するというのは、 を任意のやり方で へ近づける方法を考えて、どのやり方であっても同じ値に収束することをいうわけです。だから、単に一直線に近づくだけでなく、…

メモ:線形空間の基底と普遍性、そして随伴

結城先生のツイートと黒木玄さんのツイートをきっかけに、下の記事の命題2.13が圏論的に解釈できることを理解した。 tsujimotter.hatenablog.comできれば本ブログでもまとめたい感じの内容ではあるけど、メモがてらこちらのブログに書いておく。 集合を対象…

メモ:フェルマーの2平方定理の環論的な証明

素数と2次体の整数論の勉強会「ゆるにじたい」をしている際に、ふと数学漫画「数字であそぼ」の話題になりました。5巻で「フェルマーの2平方定理」の証明が載っていたのですが、その証明は我々が勉強していたものとは違うものでした。せっかくなので、それを…

Shorのアルゴリズム(勉強過程)

量子コンピュータが話題になっている昨今ですが、そのきっかけの一つとなったのは、素因数分解ができるという量子アルゴリズム「Shorのアルゴリズム」でしょう。以前から、その仕組みを理解したいと思っていたのですが、よいきっかけがあったので少しずつ勉…

楕円曲線のハッセの定理とL関数の絶対収束(訂正版)

(前の記事に大きな勘違いがあったので修正しました。) 楕円曲線 に付随するL関数 が絶対収束する条件について考えたい。ここでであり、楕円曲線 の での還元を と表す。なお、本当は良い還元を持つかどうかでオイラー因子の形が変わるのだが、今回は一旦無…

楕円曲線のハッセの定理とL関数の絶対収束(間違い)

この記事の執筆の際に無限積についてかなり大きな勘違いがありました。 以下の記事で訂正版を記載していますので、こちらをご覧ください。tsujimotter-sub.hatenablog.com間違った過程を残すのも悪くないと思い、こちらの記事はあえて残しています。 楕円曲…

ペル方程式に帰着できる問題たち

最近、Twitter等の数学好きの間で、ペル方程式に帰着できる問題についての話題をいくつか見かけたので、それらをまとめておきたくなりました。この問題は に帰着できます。3辺の長さが整数723、724、725で構成される正三角形に近い三角形の面積は、なんと整…

libsvmの使い方(Java)

(あとで書き足します)以下のウェブサイトの「Download LIBSVM」からlibsvm-3.23.zipをダウンロード LIBSVM -- A Library for Support Vector Machinesダウンロードされたフォルダを適当な場所に展開(私はC:\libsvm-3.23においた)C:\libsvm-3.23\javaにフ…

対応関係

「ガロア群の作用を与える」って具体的にどういうことなんだろうと思っていたけど、なるほどフロベニウスの作用を具体的に記述すれば良いのかと納得した。 上の円分拡大 の場合を考える。ここで とする。添加元 に対する、フロベニウス の作用は 乗になる。…

数学語

「数学語」と私が勝手に呼んでいるものがある.一般に用いられる日本語ではあるものの,数学の議論の中でしか使わない用法をする言葉のことである.ある意味テクニカルタームなのだけれど,独学だとなかなか気づきにくい.その中の一つとして「~によって特…

誤差逆伝播法の計算

昔計算したんだけど、また忘れたので計算してみた。誤差逆伝播法は、多層のニューラルネットワークを考えたときに、その重みを学習するための方法の一つである。バックプロパゲーション(Backpropagation)とも言う。やってみるとわかるが、出力の誤差を計算…

レムニスケート関数とペー関数

レムニスケート関数とペー関数の関係について気になったのでメモ。 としてが成り立つ。ってことは、単位レムニスケート曲線は楕円曲線に有理変換で移りあうということか。参考: http://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/ellfunc.pdfの p.46 参照。

「K上の」代数曲線

を多項式環のイデアルとする。多項式環なので は多項式のイメージ。ちなみに一変数っぽく書いているけど、 である。 ここで、多項式(イデアル)の 零点集合を考える。多項式の零点を集めた集合のことで、ようするに楕円曲線 とか円 の解の集合みたいなもの…

特定の虚数乗法を持つような楕円曲線を作る方法

一つ前の記事と紛らわしいが、虚2次体 の整数環 が与えられたとき、自己同型環が となるような楕円曲線 を作ることができる。参考は、楕円曲線論概説(上)のp.121を読むこと。 を 0 でない の分数イデアルとする。埋め込み によって、 を の格子とみなす。…

j不変量が指定の値とするような楕円曲線のモデル

いつも忘れるのでメモ。[AEC III.1. Prop. 1.4 (c)] を参照すること。 に一致するような楕円曲線 のWeierstrassモデルを求める。 の値によって場合分けする。 のとき: のとき: のとき:

平方完成と2次拡大

標数が2でない体Kの2次拡大の同型類全体は、K^×/(K^×)^2という可換群の非単位元全体と1対1対応があります。これは平方完成というテクニックによって示されます。そう、中学で習うあの平方完成です。標数が2の場合にどう変化があるか考えてみましょう。— p…

素数ゼミの記事

ネットニュース www.huffingtonpost.jpnature https://www.nature.com/articles/s42003-018-0025-7

モチーフ

モチーフ-代数多様体の数論的骨格/望月新一/ http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Mochiifu.pdf いつかこの記事の背景にあるようなことを理解できるようになりたい

積分定数(その2)

まさかその2を書くことになるとは思わなかった。先の記事をツイートしたら、umezakiさんという方から「積分定数は0次のド・ラームコホモロジーとみなせる」ということを教えて貰った。感激したので、忘れないうちにメモ。ド・ラームコホモロジーについては…

2次体の類数と連分数

ものさんという方に教えていただいたのですが、ザギヤー「数論入門 ゼータ関数と2次体」という本に面白い定理が載っていたので紹介します。数論入門―ゼータ関数と2次体作者: D.B.ザギヤー,片山孝次出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1990/08/02メディア: 単…

自分メモ:収穫逓減

まず、「収穫逓減」って「しゅうかくていげん」って読むらしいですよ。 読み方すら知りませんでした。経済学の言葉で、意味は「収穫を大きくしようと規模を拡大しようとしても、収穫の増加量が予想より小さくなってしまう」という現象のことらしい*1。 わか…

j-函数に関するあれこれメモ

山本先生の「数論入門2(岩波講座現代数学への入門)」に、僕が知りたかった「楕円モジュラー関数」と「虚二次体」の話が、この上なくわかりやすく書いてあったので、ここにご報告します。岩波講座 現代数学への入門〈5〉(9-10)数論入門1・2作者: 山本芳彦…