結城先生のツイートと黒木玄さんのツイートをきっかけに、下の記事の命題2.13が圏論的に解釈できることを理解した。
tsujimotter.hatenablog.com
できれば本ブログでもまとめたい感じの内容ではあるけど、メモがてらこちらのブログに書いておく。
- 集合を対象とし、その間の写像を射とする圏
- 体
上の有限次元
-線形空間を対象とし、
-線形写像を射とする圏
の二つの圏を考える。また、線形構造を忘れる忘却関手 を考える。
ここで、ベクトル空間 を考えて、
の基底
を考えると、
は
に埋め込まれていると考えられるので、
なる
の射があると思うことができる。
基底の行き先を与えるルールは、 から
への
の射だと思うことができる。
というわけで、こんな感じの主張と図式に置き換えることができる。

すなわち、 の射
に対して、
の射
が一意的に定まるわけだ。こういう構造を一般に 普遍性 というらしい。
今まで普遍性の例として、「直積」とか「準同型定理」みたいな構造しか知らなかった。つまり、一つの圏で完結するものしか知らなかったのですが、本当は関手があって二つの圏をまたいでいる構造なのですね。上の構造で二つの圏が同じ圏であるものを想定して、 として恒等関手を考えれば、よく知っているやつになりそう。こういう一般化は知らなかったので、とても新鮮でした。(単に不勉強で定義をよく知らなかったという話ですが。)
続いて、自由生成関手(名前はちゃんと知らないので適当) を用意する。これは忘却関手
の逆方向の関手である。集合
を基底とするような自由
-ベクトル空間を考えることができる。つまり
というわけだ。これは の対象である。これを自由生成関手
の定義とする。
このとき、先程の を
に置き換えてやるとこういう図式が得られる:

普遍性により、 の射
に対して、一意的に
の射
が定まるわけだが、これが以下の自然同型に繋がるらしい。
自然同型の定義がよく分かっていないが、とりあえず一対一対応があるのはわかる。
そして、こういう関係こそ、まさに 随伴 という構造になっている。関手 は随伴の関係にあるとか、
は
の左随伴関手だとか、そういう言い方をするらしい。
ついでにいうと、 が
の左随伴関手だとすると、
を モナド というらしい。今回の場合だと、基底
から生成する自由ベクトル空間
をとって、その線形性を忘れた集合を
としたとき、
に対して
を与える関手
がモナドということになる。 だから何だという感じがするが、そういうものがとにかく定義されるらしい。
ベーシック圏論に随伴について書かれた章があるのは知っていたが、何に関係するのかよく分からなかったので、読むモチベーションがなかった。ところが、こんな身近なところに分かりやすい例があったなんて。面白いもんですね。
私にとって圏論はあくまで「必要になったときに調べるもの」なので、圏論そのものを面白がって勉強したいとはあまり思えないのですが、だからこそこういう具体的な使用例がわかると少し勉強してみようかなという気になります。