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の第8週目。
ポイントをまとめていく。あくまで自分のメモ用です。
第8週目(2017/3/10 〜 2017/3/16)
3/10:イデアル類群の円分岩澤主予想(3.3.1)
- 版岩澤主予想を定式化した
- イデアル類群の円分岩澤主予想の証明のための二つの原理
- (A) Kummer 双対性: 版岩澤主予想と 版岩澤主予想の同値性を導く原理
- (B) 解析的類数公式:イデアル類群の円分岩澤主予想の等式のうち,どちらか片方の包含関係を のすべての偶指標 で証明すれば,自動的に等式が成立することを保証する原理
- と のどちらか一方を示せばよい
3/11:Kummer双対性の原理
- (A) Kummer双対性の証明の前半。Kummer理論を使って、 としての以下の同型を示した:
- 方針:
- Kummer 理論を使って 次の巡回拡大がベキ根を使って表せる
- 巡回拡大が の外不分岐な最大アーベル拡大 (p上は完全分岐)と一致することを示すために,局所類体論を使う;
- と素なイデアル (pの外)を使って による の局所化 を考える
- が 上不分岐であるための必要条件がわかる(pの外不分岐)
3/12:Kummer双対性の原理(つづき)
- (A) Kummer双対性の証明の後半。今日は随伴加群 を定義した( はポントリャーギン双対):
- 随伴加群を経由して,以下の擬同型を示した:
- 流れ:
- に関して,Cokerの位数が有界な単射 の族がある
- 随伴加群の定義を として をとることで適用すると
- より
- さらに となって目的の擬同型が得られる
- (A) Kummer双対性 の証明:
- (Prop.3.70 より)
- (Prop.3.67 より)
- よって擬同型が得られる:
- 擬同型は特性イデアルを保存するから以下が得られる:
3/13:(B) 解析的類数公式の原理
- (B) 解析的類数公式の原理:
- 両者の岩澤不変量 が一致するので,特性イデアルの片方の包含関係が(すべてのに対して)いえてしまえば,自動的に逆の包含関係も成り立つ.
- Dedekindゼータ函数の類数公式について復習した
- での留数と類数が結び付く
- Dedekindゼータの関数等式により の値が結び付く(したがって の零点の位数を見ればよい)
- また,アーベル体 のDedekindゼータは でかける.
- の最大総実部分体の相対類数が,それぞれのDedekindゼータの の値の比でかける
3/14:(B) 解析的類数公式の原理(つづき)
- 二種類の岩澤加群 を定義して,解析的類数公式の原理を示す
-
- の 部分による直和分解によってあらわすことができる
-
- 岩澤代数の元 (多項式) で岩澤代数を割っているので,有限生成岩澤加群となる
- CRT より直和分解して岩澤基本加群の形にできる
- したがって,岩澤不変量の間に以下の等式が得られる
- 以上から と をいえばよい
- 岩澤加群 の一般的な類数公式 を思い出すと,
- の比が十分大きい に関して有界であることを示せばよい( が異なれば,上記の比は発散してしまうから)
- (q, e 等は岩澤代数のパラメータで加群に関係ない)
- こんなところで岩澤類数公式が使えるのか!
- あとは,相対類数 を仲立ちとして類数公式でこの二つを結び付けるのが次で展開する基本方針である.
全然関係ないけど,補題2.4.7で を に取り換えて議論していい根拠がわかった. で補題が成り立てば, で補題が成り立つ(逆もしかり),すなわち同値になっているんですね.
3/15:(B) 解析的類数公式の原理(つづき)
- あとで書く
3/16:モジュラー的な岩澤手予想の証明()
- レベルが爆発的に上がりそうな予感.
雑感
- 岩澤主予想の節に入ってからテンションが上がってきた!!!たのしい!!!