tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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対応関係

「ガロア群の作用を与える」って具体的にどういうことなんだろうと思っていたけど、なるほどフロベニウスの作用を具体的に記述すれば良いのかと納得した。

 \mathbb{Q} 上の円分拡大  \mathbb{Q}(\zeta_n)/\mathbb{Q} の場合を考える。ここで  \zeta_n = \exp(2πi/n) とする。添加元  \zeta_n に対する、フロベニウス  \sigma_p \in \operatorname{Gal}(\mathbb{Q}^{\text{ab}}/\mathbb{Q}) の作用は  p 乗になる。これは指数関数  \exp(2πit), \; t \in \mathbb{Q/\mathbb{Z}} の変数  t に対して  p 倍になっていると考えてもいい。

虚2次体  K 上の最大不分岐アーベル拡大  H/K の場合は、 K の整数環  R_K を虚数乗法に持つ楕円曲線  E に対するj不変量  j(E) を用いて  H = K(j(E)) とかける。同様に添加元  j(E) に対するフロベニウス  \sigma_{\mathfrak{p}} \in \operatorname{Gal}(K^{\text{ab}}/K) の作用は、 j(\overline{\mathfrak{p}}\ast E) とかける。 \overline{\mathfrak{p}}\ast E は、 E に対応する格子を  \Lambda として、 E = E_\Lambda とかくと、 \overline{\mathfrak{p}}\ast E) := E_{\mathfrak{p}^{-1}\Lambda} と定義される。 j(E_{\Lambda}) = j(\Lambda) とかくと、 j(\Lambda) に対する  \sigma_{\mathfrak{p}} の作用は  j(\mathfrak{p}^{-1}\Lambda) とかけて、より上のケースとの対応関係が綺麗になる。

ここで、 \mathbb{Q} 上の円分拡大の場合はフロベニウスの作用が  p 倍になっているのに、虚2次体  K 上の最大不分岐アーベル拡大の場合はフロベニウスの作用が  \mathfrak{p}^{-1} 倍になっているのが少し気持ち悪い気がする。フロベニウス  \sigma_p として数論的フロベニウス  x \mapsto x^{p} をとっているが、これを幾何的フロベニウス  x \mapsto x^{1/p} に置きかえれば、 \mathfrak{p}^{-1} 倍が  \mathfrak{p} 倍になって問題なくなるかもしれない。そういう話なんだろうか。