tsujimotterの下書きノート

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微分多様体のイメージ(※あくまで私個人の持つイメージです)

微分多様体のイメージ、まっさらな位相空間にユークリッド空間  \mathbb{R}^n の一部がペタペタ貼り付いたもの。この貼り付いた部分を「ペタペタ」と呼ぼう。このペタペタの座標を使って、多様体の各点の座標を定められる。

ただし、2つの「ペタペタ」が重なっているときは、それぞれで整合性が取れなきゃいけない。ペタペタ1から一旦多様体に戻ってまたペタペタ2にいく写像(これは  \mathbb{R}^n の部分から  \mathbb{R}^n の部分への連続写像になってる)が「滑らか」などといった条件がつく。これを「ペタペタ整合性」と呼ぼう。

「滑らか」の部分は適当に置き換えが可能で、それぞれ以下のような名前がつく

  • 「連続」であれば位相多様体(一番ゆるい条件)
  • 「1階微分可能かつ導関数が連続」であれば  C^1 級多様体
  • 「滑らか(無限階微分可能かつ導関数がすべて連続)」であれば滑らかな(あるいは  C^\infty 級)多様体

これが多様体の定義。

位相空間はのっぺらぼうなので、ほんとに形とか繋がりぐらいの情報しかない。一方、多様体になると座標が修飾されてそれぞれに個性が出てくる、って感じなのだと思う。

多様体上の関数

多様体の点  P ごとに適当な座標をとって、その座標に対して  \mathbb{R} の値を対応づけるルールを、点  P からの関数値を与えるルールだと思って、多様体全体で関数と見る。

ただし、関数値が座標の取り方によっちゃうと整合性が取れなくなるので困る。なので、同じ点  P からの値は、どんな座標をとったとしても同じ値に行くようにしてください、という要請が入る。(多様体警察)

逆に、ペタペタ整合性を最大限に活かすなら、各点  P に対してどれか一つ適当な座標の上で関数が決まれば、共通部分の座標上の関数値は合成によって勝手に決まってしまう。


だから、多様体上の関数は結局  \mathbb{R}^n 内の部分を定義域に持つ関数だと思って議論できるわけだ。普通に  y = f(x_1, \ldots, x_n) のようにかける。これが関数の座標表示。

局所的に見れば、 \mathbb{R}^n 上の関数だと思えるから、 \mathbb{R}^n と何が違うのかと思うかもしれない。ここでペタペタ整合性だ。局所ではこれでいいかもしれないが、多様体全体で見たときには、各所で整合性を保ちながら全体で関数を定義しないといけない。この「全体」という概念のを表す良い言葉が「大域」である。局所と大域。

すると面白いことに、大域的に関数を捉えると、多様体の図形的(位相的)な情報が出てくるのだ。ペタペタ整合性のせいで、大域的に定義される関数の種類に制限がかかる。だから、取りうる関数全体の集合だとか空間だとかを見ることで、多様体の情報が取り出せるわけですね。

この辺がたとえばコホモロジーとかモース関数論とかの話に繋がりそう。