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tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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ガウス和が二次体の元になるのはなぜ?

数学

ガウス和  G_N

 \displaystyle G_N := \sum_{k\in (\mathbb{Z}/N\mathbb{Z})^{\times}} \chi_N(k)\; \zeta_N^k

のように定義したとき、

 \mathbb{Q}(G_N) = \mathbb{Q}(\sqrt{m})

となるような square-free な整数  m が存在することを示します。


 \chi_N は、二次体に付随するディリクレ指標で、以下のような準同型写像として定義されます。

 \chi_N\colon (\mathbb{Z}/N\mathbb{Z})^{\times} \longrightarrow \{\pm 1\}


以下は仮定します。

 \text{Gal}(\mathbb{Q}(\zeta_N)/\mathbb{Q}) \simeq (\mathbb{Z}/N\mathbb{Z})^{\times} \tag{1}


まず、 G := \text{Gal}(\mathbb{Q}(\zeta_N)/\mathbb{Q}) とおく。

準同型定理より  \text{Ker}\; \chi_N  (\mathbb{Z}/N\mathbb{Z})^{\times} の正規部分群で、

 (\mathbb{Z}/N\mathbb{Z})^{\times} \big/ \text{Ker}\; \chi_N \simeq \text{Im}\;\chi_N

となる。 \text{Im}\;\chi_N の位数は  2 より、 \text{Ker}\; \chi_N に対応する  G の部分群  H が固定する体  K は二次体であり、以下のガロア対応が成り立つ。

 \mathbb{Q} \subset K \subset \mathbb{Q}(\zeta_N)
 G \supset H \supset \{e\}


ところで、  G の元として、  \sigma_k を以下のように定義すると、

 \sigma_k \colon \zeta \mapsto \zeta^k

 (1) の同型において  \text{Ker}\; \chi_N に対応する  G の部分群  H は、

 H = \{ \sigma_k \mid k \in \text{Ker}\; \chi_N \}

であり、

 G\backslash H = \{ \sigma_k \mid \chi_N(k) = -1, \; k \in (\mathbb{Z}/N\mathbb{Z})^\times \}

である。明らかに  H の元はガウス和  G_N を不変にし、 G\backslash H の元は  G_N の符合を変える。


したがって  H の固定体は  K であったから、

 K \supset \mathbb{Q}(G_N)

であり、 \mathbb{Q}(G_N)\neq \mathbb{Q} である。


さて、 K は二次体であるから、 \mathbb{Q}(G_N) も二次体である。したがって、 \mathbb{Q}(G_N) = \mathbb{Q}(\sqrt{m}) となるような、 square-free な整数  m が存在する。これが示したいことであった。