tsujimotterの下書きノート

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分数の合同式についての疑問

クンマーの合同式でよく出てくる分数の合同式.あの合同式はうまく定義されているんだろうか.

 \cfrac{p}{q}, \cfrac{r}{s} をそれぞれ既約分数として、 q, s m と素であるとする.

このとき「分数の合同式」

 \cfrac{p}{q} \equiv \cfrac{r}{s} \pmod{m}

 \cfrac{p}{q} - \cfrac{r}{s}

を計算し,既約分数で表示したときの分子が  m で割り切れること,と定義する.


気になるのは上の合同式と,分数を  \bmod{m} に埋め込んだ

 \cfrac{p}{q} \mapsto p q^{-1} \pmod{m}

ときの「整数の合同式」

 p q^{-1} \equiv r s^{-1} \pmod{m}

が同値であるかということだ. q^{-1}, s^{-1} \bmod{m} における  p, q の逆元である.

例:

具体例で考えてみる.

 \bmod{7} とし, \cfrac{8}{3}, \cfrac{3}{2} とする.それぞれ既約分数である.

「分数の合同式」は以下のように成立する:

 \cfrac{8}{3} - \cfrac{3}{2} = \cfrac{16 - 9}{6} = \cfrac{7}{6}

よって,分子が  7 で割り切れるので

 \cfrac{8}{3} \equiv \cfrac{3}{2} \pmod{7}


一方で, \bmod{7} での  3, 2 の逆元はそれぞれ  5, 4 である.よって

 8 \cdot 3^{-1} - 3 \cdot 2^{-1} \equiv 8 \cdot 5 - 3 \cdot 4 \equiv 0 \pmod{7}

として,たしかに普通の合同式の方も成立している.


うーん,今のところうまくいっている気がする.