tsujimotterの下書きノート

このブログは「tsujimotterのノートブック」の下書きです。数学の勉強過程や日々思ったことなどをゆるーくメモしていきます。下書きなので適当です。

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数学

Z[√-5] のイデアルについて (3)

シリーズ1本目の記事はこちら: Z[√-5] のイデアルについて (1) - tsujimotterの下書きノートtsujimotter-sub.hatenablog.comシリーズ2本目(前回)の記事はこちら: Z[√-5] のイデアルについて (2) - tsujimotterの下書きノートtsujimotter-sub.hatenablo…

Z[√-5] のイデアルについて (2)

シリーズ1本目の記事はこちら: Z[√-5] のイデアルについて (1) - tsujimotterの下書きノートtsujimotter-sub.hatenablog.com イデアルとは,数をまとめた集合のことである。数をまとめた集合同士の計算をしなければならないので,単なる数の計算よりもやや…

Z[√-5] のイデアルについて (1)

3回に渡って「整数論」に関する1つの興味深いトピックについて書いていこうと思う。 二次体 上の整数環 を考えたときに,その代数的整数に対して「素因数分解の一意性は必ずしも保証されない」という問題についてだ。 たとえば, として,虚二次体 を考え…

e と 1/e の話

前回、ネイピア数 の話をしたので、今度は の話をしよう。 の定義はこうだった。で、ここにひとつマイナスをつけると が現れる。一瞬「えっ?」って思うかもしれない。マイナスを付けただけで、逆数になってしまうのだから、ちょっと不思議な感じがする。 が…

ネイピア数 e をいかにして自然に導入するか

ネイピア数 。自然対数の底。自然対数という割に、ぜんぜん自然じゃない、と私は思っていた。どの説明を聞いてもどうにもしっくりこない。つい先日、この数を人に説明する機会があったのだが、どうにも歯切れの悪い説明になってしまった。この数を、どうにか…

「R[X]/〈X^2+1〉が C に同型」が味わえるようになってきました

昨日仙台のノラヤさんというコワーキングスペースで講師をして参りました。 こちらについてはまた本編のブログで紹介するとして。準備の中で、作図の理論、具体的には「円分方程式」の勉強していました。こういうときってテンションが上がっているので、もの…

ゼータ関数に関する記事が色々なところに載りました

あ、こういうことをまとめておくのに「下書きノート」を使えば良いんだ。と思ったので、備忘録的にまとめます。 なるほどわからん! 「 触れるゼータ関数」が298,999円(素数)で販売kai-you.netはてなブックマーク - なるほどわからん! 「 触れるゼータ関…

「双曲空間が分かった!」と感動しました

「基本領域ゲーム」を作った - tsujimotterのノートブックtsujimotter.hatenablog.comで紹介した「基本領域ゲーム」をきっかけとして、taketo1024 さん と matsumoring さんと私による「双曲空間」に関する議論が始まりました。結果として、tsujimotterの中…

ガウスの数学日記を買いました

じゃん!表題のとおり「ガウスの《数学日記》」という本を買いました! この本、ガウスが若い頃いつも持っていて、整数論の面白い定理を見つける度に書いていたと言われる数学日記をまとめた本です。 (正確に言うと、実は休暇中に実家に置き忘れて、しばら…

ディリクレの単数定理とペル方程式

前の記事で「単数って面倒だよね」という話をした。そのときは, のような虚2次体の整数環を考えていたわけだ。 これで面倒だと騒いでいたわけだが,虚2次体の整数環における単数は「所詮」有限個しか存在しない。実は,実2次体の場合は,単数は無数に存…

素因数分解の一意性と単数

とても良い気付きを得たのでメモしておく。整数 の世界では,素因数分解は一意に定まる。つまり, のように書けて,これ以外の形で分解されることはない。これを,素因数分解の一意性という。 一方で, の世界を考えると,この世界では素因数分解の一意性は…

中国の剰余定理(メモ)

が直和分解できるという話と,中国の剰余定理は関係があるらしい。というか,前者は後者の一般化になっているという。忘れないようにメモ。ちゃんと理解したい。 http://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/algspa.pdf きっかけは,こちらのサイトにある期末試験…

二次体の整数環の本当の定義

前回は「整数環はややこしい」と言ったところで終わりました。 二次体の整数環はややこしい - tsujimotterの下書きノート 二次体の整数環はややこしい - tsujimotterの下書きノート 今回は,整数環の本当の定義を説明しましょう。その前に,最小多項式の話を…

二次体の整数環はややこしい

整数論の話を読んでいてややこしいなと思った話を。二次体という対象があります。これは有理数体 に を添加した体のことです。 は整数 の元で,平方数ではありません。記号ではこう書きます。この集合は, と を基底としたベクトル空間を成すのです。つまり…

平方根のガウス記号

本編のブログでこんな記事を書いていたときに, 平方剰余の第一補充則から二平方定理を導く - tsujimotterのノートブック 平方剰余の第一補充則から二平方定理を導く - tsujimotterのノートブック 途中で以下の不等式が出てきました。記事ではさらっと流して…

イデアルを三角関数で表す

今日は「サインカーブ整数論」について。 って, のときに,イコール になりますよね。 このように,関数の値がイコール になる点のことを「ゼロ点」って呼びます。で,このゼロ点全体の集合はちょうど,整数全体の集合 と一致しますよね。 これ,面白いなと…

Gnuplot を使った楕円曲線の書き方

今日扱いたい楕円曲線はこれ。同次型がこれ。 とそれぞれ代入して,二次元平面に射影したあと,それぞれの平面で書いたグラフがこちら。 実はこのグラフを書くだけでも,結構苦労したんだ。だって,楕円曲線って「陰関数」だからね。いつもの Gnuplot じゃあ…

ワイエルシュトラスの楕円関数が計算できない

ワイエルシュトラスの楕円関数を計算しています。目標はこんな図。"Weierstrass elliptic function P" by Fibonacci - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

ワイエルシュトラスの「ペー」の書き方

ワイエルシュトラスのペー関数と呼ばれる楕円関数があります。この関数は,基本的な楕円曲線である「ワイエルシュトラス型の楕円曲線」をパラメトライズする楕円関数として,非常に重要です。ペー関数は,こんな感じで書けるのですが,重要なのは,左辺にあ…

レムニスケート周率表を買ったよ

最近、楕円関数に凝っていて、その流れで「暗黒通信団のレムニスケート周率表」を買いました。レムニスケート周率1,000,000桁表作者:真実のみを記述する会メディア: 単行本一家に一冊、レムニスケート周率表。 なわけないですね。読んでみましたが、まったく…